【感想・ネタバレ】「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いやほんとにおっしゃる通り。なれること、入りこむ努力をすること。地方にゲットーができつつあること。どうなんだろう。

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2021年04月28日

Posted by ブクログ

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技能研修生などで話題になる「外国人労働者」の現状を、著者の体当たりな取材を通して明らかにする一冊。主にベトナム人労働者(働いてない人もいるが…)の状況を書いている。

読んでの印象は「かわいそうなまでに、弱くどうしようもなく救われない」。
親戚が岐阜の工場で働いているんで多少状況はわかるんですが…あのあたりの田舎の中小企業にはろくでもないのが結構含まれている。「プレス機で従業員が死んだあと、社長夫人は車をいいのに買い替えた。保険金で払ったのでは?」なんて噂が流れる会社でその親戚が働いていたこともある。そんな会社でも、製造業の盛んな中京圏では潰れることなく会社自体は存続してしまえる。

それに対し日本人であれば「転職」という”現実解”を選びうるわけだけど、技能研修生は「逃亡」し在日ベトナム人社会で生きるしかない。
そして、今のご時世に出稼ぎ先としてあえて「日本」を選んでしまうような”情弱”ばかりが日本に来ているので、本人も在日ベトナム人社会の新入りもその生き抜き方が稚拙。反社会的な行動に手を出すことにも抵抗が低い。本国でもまともに頼れるような社会がない階級の人間が、外国人慣れしてない日本社会をあてにするわけがない、と言ってしまえばそれまでだけど、社会への期待感のなさの裏返しとしての社会規範意識の低さが露骨に出てる。
その対比としての、第五章(「現在の奴隷」になれない中国人)は別な意味で興味深い。国力が上がり信頼度が増した中国社会が、中国人労働者の不満を妥当なやり方で一定解消させる役割を果たしているらしい。

第七章に出てくる「群馬の兄貴」にしても、「豚の大量窃盗」の指導的役割を果たしたかは怪しいとしても、そういうことをベトナム人がやっていてもおかしくない、というムードは既にあった(岐阜県でも数年前に「除草用のヤギをベトナム人がバラシて食った」という事件があった)。「これだからベトナム人は…」と言われても仕方のない現状が一方であり、それが日本人社会の態度を硬化させさらに状況が悪くなる、という日本の現状を象徴するような章だった。

日本語能力はあるのに年齢などの問題で日本への入国すらままならない例(第六章)は「日本は…もったいないことをしているなぁ」と思う。一方で『君の名は』を本国で見てあこがれた日本にやってきてセクハラ被害にあった外国人労働者が、その『君の名は』の舞台である岐阜県で働いていることを告げられ絶句する例(第五章)なんかは「『君の名は』の微妙なセクハラ的演出を見てそこに驚くか」と言いたくなる。
日本社会に普通に存在するチグハグさが、外国人労働者を送り出す側のチグハグとの相乗効果でほんとに救いのない状況になっている、そのような印象を受けた。

労働者2世の教育問題含め誰がどうこの問題の落とし前をつけるんだろう、とは思いつつ…一時期中京圏の外国人労働者界を席巻したブラジル人労働者の多くが「ブラジルにワールドカップを見に帰る」と言って大半が帰国したように、本国が経済成長して労働者自ら日本を見放してくれるのを期待するより他ないのかもしれないなぁ…。

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2021年04月18日

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