【感想・ネタバレ】鎌倉仏教のレビュー

あらすじ

栄西、法然、親鸞、道元、日蓮、一遍。現代まで続く一大宗派を築いた鎌倉新仏教の宗祖たちだが、あまりに独創的なその教えは、当時の社会常識を覆し、体制側から異端視された。伝統の枠組みを逸脱し、自分の心に偽らず、仏教と真摯に向かい合う――多様化した仏教を坐禅・念仏・信心・唱題の一行に統合する「専修」に焦点を当て、そこに込められた彼らの思いに注目。数々の法難を経験してなお深化していった「異端」の思想に迫る。

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Posted by ブクログ

仏教についてほとんど何も知らないまま読んだので、とても難しく感じた。
しかし、末法に突入する鎌倉時代ならではの独特な異端具合はよく伝わってきた。
おもしろかった。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

鎌倉仏教の祖師である栄西、道元、法然、親鸞、日蓮、一遍の思想を解説している本です。

著者はまず、黒田俊雄の「顕密体制論」を紹介し、旧仏教対新仏教というかつて支配的だった鎌倉仏教の理解の枠組みをあらため、鎌倉仏教の諸宗派を「正統」に対する「異端」として規定します。

そのうえで著者は、鎌倉仏教の祖師たちのほとんどが比叡山で仏教を学んだことに目を向けます。天台宗の「一仏乗」や、真言宗の「九顕十密」という思想は、最澄や空海の総合主義的な立場を端的に表現しています。鎌倉仏教の祖師たちは、そうした総合的な仏教を学んだうえで、「専修」の道を切り開いたのです。それゆえ、「専修」は「末端の行の一つ」(one of them)ではなく、「全仏教の行を統合する行」(all in one)として理解されなければならないと著者は考えます。こうした立場から、道元の只管打坐、法然・親鸞・一遍の念仏、日蓮の唱題のもつ意味を解説しているところに、本書の特徴があるように思います。

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2023年02月06日

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