あらすじ
ニューヨークの下町で、夢を追いながら共同生活を送る若い画家のスーとジョンジー。だが、秋の終わり、ジョンジーが重い感染症にかかり、窓の外のツタを見つめながら「あの最後の葉が落ちるとき、わたしも死ぬ」と言いだす。それを聞いた初老の貧乏画家は……(「最後のひと葉」)。
このほか、「二十年後」「犠牲打」「運命の衝撃」など、ニューヨークの片隅で懸命に生きる人々の姿を描いた作品や、「救われた改心」「水車のある教会」「都市通信」など、アメリカ南部の情緒と風情を盛り込んだ作品など、味わいあふれる名作12話を収録。
既刊の『オー・ヘンリー傑作集1 賢者の贈り物』の16編とあわせて、文庫では最多のオー・ヘンリー短編28作を収録し、ファン必携の決定版となっている。
カバー絵は、オー・ヘンリーと同じように晩年の10年足らずで数多くの傑作を残し、壮絶な人生を駆け抜けたゴッホの名作「ひまわり」(東京・SOMPO美術館蔵)。
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Posted by ブクログ
最後のひと葉
不器用だが優しい心を持ったベアマンの命懸けの最高傑作。心温まる。
二十年後
時が経てば人も変わる。旧友を想った切ない話。
救われた改心
宿敵であった刑事の優しさにほっこり。
犠牲打
自分の人生を犠牲にしてでも作品を掲載したかったのに皮肉な話。全てが計算通りいくわけではない。
魔女のパン
切ない恋の話。恋にはコミュニケーションが必要。善意がお節介でありがた迷惑なこともある。
水車のある教会
行方不明の娘との奇跡の再会。心優しいエイブラムに相応しい結末。
運命の衝撃
ホームレスだった男が急に大金を手にできると思うと不安でどうしようもなくなるが、得られないことが分かると喜ぶという不思議な話。自分で稼いだお金でないとモヤモヤするのか、手に入れると失うのが怖くなるのか、今の自由な生活に満足しているのか…私には分からない。
ラッパの響き
目の前の殺人犯である旧友を逮捕できない葛藤。借りを返して逮捕へと導くやり口が巧妙。
ジェフ・ピーターズの人間磁気
人間磁気…おもしろい効果がある治療だこと。
運命の道
どの道を進んでもボーペルトゥイ侯爵と繋がっている…どのような死を遂げるか…。T字で元の道を戻るのが正解だったのかと思ったのに…詩人を志したところからこうなる運命だったのだ。
都市通信
結局、事実としては黒人ドライバーが犯人なのだろうが、その背景にはアゼリア・アデアを想う気持ちがあった。そうとも知らない街の人は黒人に対する偏見からでお金目当ての犯行だと噂する。時代背景がよくわかる。(解釈が合ってるのかは分からないが)
赤い酋長の身代金
逆に身代金を払うだなんて、2人は思いもしなかっただろうな。安易に誘拐して身代金を取ろうなんて考えるものではないな。自業自得だ。