あらすじ
実は新型コロナウイルスよりも
危険な性感染症
~性感染症を知り、その予防法を学ぶことが新たな感染症からあなたの身を守る~
プライベートゾーン(水着で隠れる部分)は命をつなぐ大事な場所!
ここ30年余りで多数の新興感染症が見つかり、簡単には治療できない、性感染症が増えている。無症状であるものも多く、自覚しないあるいは症状が軽く気が付かないということ、あるいは自覚症状があっても正しい治療に結びつかなかったり、感染がいつの間にか他の人へ広がってしまったりすることがある。一度感染するとなかなか体内から駆除することができずに体の中に潜み、免疫が低下すると症状がでてきたり、感染して数年後に発症するエイズのようなものがあったりすることも大きな問題だ。そう、今猛威をふるう新型コロナウイルスと同じ感染症なのだ。性感染症を知り、その予防法を学ぶことは新型コロナウイルスを含め、今後人類に襲いかかるであろう、新たな感染症から身を守る術を学ぶことでもある――。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ネットで「高齢者の性感染症が増加」という内容で取り上げられていた本。
性感症って他人に相談しにくいし、お医者さんにいくのも勇気がいると思うけど…
この本を読んだら「つべこべ言わずにすぐ病院へGO!」って思うはず!
ぶつぶつができた、かゆい、いぼがでいた、腫れた、膿が出たとかならまだ自分で異常がわかるからいいけど、怖いのは無症状で知らない間に進む感染症。
も~読んでて怖いのなんのって!!
あとはもう細かくは書かないけど男性器にこんな症状が出たら糖尿病を疑え!とか睾丸が腫れてきたら肺がんだった!とかも読んでたら「まさかここにその症状が!?」って思うはず。
さらに、性交渉なしでも、白癬菌による性器の感染とかダニとかシラミとかの感染とか、女性なら膀胱炎やカンジタ症とか…危険が多すぎる!
もうこの本、教科書として日本全国の老若男女に読ませた方がいいんじゃない?と思ってしまった。(言い過ぎか…)
で、著者の尾上泰彦先生の最後の章の言葉が深い!
「科学が進歩しても呼吸器感染症と性感染症だけは防げない」
Posted by ブクログ
■いくら清潔な住環境を作っても科学が進歩しても呼吸器感染症と性感染症だけは防げない。
呼吸器感染症は生きていく上で不可欠な呼吸を介した病気であり病原体は会話までもターゲットにして人間の体内に侵入しようとしている。
生殖は子孫を残すために必要な行為でありそれ抜きで人類の繁栄はあり得ないので、性感染症もまた防ぐのは困難。
■危惧するのは、呼吸器を介した感染症であれ蚊を介した感染症であれ、新たな感染症は体内に侵入すると血液などに紛れて精巣に到達し、男性の精子の間に隠れて潜む能力を獲得できるよう変異しつつあるのではないかということ。
実際、エボラ出血熱やジカ熱の原因となるウイルスは感染者の精液からも検出され、精巣炎を引き起こすことが報告されている。また、SARSで亡くなった中国人男性6人を解剖して検査したところ全員の精子形成能力が著しく低下していることが分かった。
なぜ病原体が精液に隠れると厄介なのか。それは人間が外敵から身を守るための免疫は子孫を残すために必要な精子を攻撃することができないからである。
一般的なウイルスはどんなに上手に隠れてもたいていは免疫組織に見つかり攻撃されて排除される。しかし精巣の中で精液に紛れればそうもいかない。
Posted by ブクログ
感染症のみならず、下半身に纏わるあれやこれやが、かなり総合的に網羅されていて、読み応えバッチリな一冊。トンデモ本も容易に見つかりそうな件のジャンルにおいて、普遍的に知識を提供しやすい新書媒体で、ってのもワザあり。
Posted by ブクログ
性と健康についての知識が分断に盛り込まれた本でした。なかなか性感染症や性交渉、避妊についての正しい知識は自分から得ようとしない限りなかなか得られない中で、この本は情報が凝縮されていて、かつ、医療専門用語なども入っているのに読みやすい本でした。
「研究結果は、何度も何度も同様の試験が行われ、その結果がいつも同じであるという事実の蓄積により科学的根拠が得られるのであって、ニュースになるような研究はあくまでも、それが本当か追試してみようというキッカケにはなっても,事実とは言えない。」これは、コロナウイルスにも当てはまるなぁと思いました。
また、検査やワクチンに関する日本の接種率、利用率の低さには愕然としました。国として動くべきこと。
Posted by ブクログ
コロナ禍で感染症に対する関心が高まったせいなのか、このところ性感染症の世界にも新顔が増えているからなのか、珍しい新書が出ていたので入手。
未知の感染症から新しい治療法、性や性器に関する病気、(高齢者の)セックスの効用と幅広く扱った一冊だ。もう少し軽ーいノリかと思ったら、いたって真面目。
DSD(性分化疾患)や性器の形態異常に関しては、ほとんど認知していなかったので、結構衝撃を受けた。比率でいえば、少ないといえば少ないのだが、当事者にとっては大変な問題だ。
コロナ禍でインフルエンザの感染者が減ったことが報道されていたが、性感染症の感染者の変化も気になるところ。