【感想・ネタバレ】特急街道の殺人のレビュー

あらすじ

雷鳥、はくたかなど多くの特急が行き交った“特急街道”北陸。越前一乗谷遺跡を買い取りたいと、戦国大名朝倉氏の末裔を名乗る麻樹という女が現われる。一方、東京で、人気ゲーム作家武井要の刺殺体が発見された。富山県高岡市にも姿を見せた麻樹が「タケイ」という相手に電話していたとの情報で、警視庁の十津川警部は富山に飛ぶ。だが、その矢先、新たな殺人が!

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Posted by ブクログ

◎越中歴史ロマンをめぐる、殺人
同人雑誌「旅行タイムス」の会員の加東は、編集長の佐々木から依頼され、特集「日本歴史探訪」の第1回の取材として、一乗谷朝倉氏遺跡へ向かう。そこで朝倉麻樹という女性が朝倉氏の生き残りと言ってはばからなかったが、実は加東には見覚えがあり声をかけると、加東のことは知らないという。その後すぐタケイという男へ連絡をしはじめる。
一方、十津川班はゲームクリエイターの武井が殺された事件を追っていて、新聞記事を見た加東が相談に訪れる。その加東の証言を追い実際に富山へ向かうと、いろいろな事実がわかり、どうやら武井の部屋にあったフィギュアに似た女性が富山で殺されたようだが、それはいったい誰なのか。

"朝倉氏は、五大百三年にわたり、越前を支配し、華麗な時代を築いたが、天正元年(一五七三)織田信長との戦いに敗れ、城下町は焦土と化した。昭和四十二年(一九六七)に、発掘作業が始まるまで、町は長い眠りについていたのである。"(p11)
というように、戦国越中を繁栄させ衰退されるまでの一途を朝倉氏が担っていた。

そんな歴史ロマンの中で起こる殺人。

風光明媚な場所場所を巡る十津川や亀井がうらやましいと思えるほどに、風景描写も楽しく、そして大きな力で動かされたこの殺人事件の黒幕が暴かれる瞬間は十津川の推理がさえる瞬間でもあり気持ちがいい一冊である。

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2018年12月06日

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