あらすじ
大金を見ただけで、あなたは嘘が上手くなる
私たちの無意識の心は他人の助けが必要かどうかをつねに監視し、必要がなければ不誠実に振る舞えとささやく――。
直感的な心が誠実さを一変させることを明らかにした心理学の最新知見からみると、「信頼」についての常識はまちがいだらけ。信頼できるかどうかは、その人の性格や道徳観だけで決まるわけではない。むしろ無意識が支配する。裏切られないように、信頼を失わないようにするにはどうしたらいいか、どうすれば信頼できるかどうかを予測できるのか、従来からあるこうした疑問に、信頼研究第一人者みずからが科学で答える。
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Posted by ブクログ
"信頼はなぜ裏切られるのか"というタイトルだが、日本語訳の問題なのか信頼が裏切られる仕組みを解き明かした本ではなかった。
英語タイトル"The Truth About Trust…略"をGoogle翻訳すると"信頼についての真実"っぽいので、どのように裏切られるかについて書かれていないのは致し方ないだろうと感じた。
訳者もあとがきにて、英語タイトルについて言及していたので何か思うところがあったのかと推測する。
文章は読みにくく感じた。ちょこちょこと説明のために入れている内容が私にはとても読みにくく、著者の感想なのかな?という内容もあって、正直どうでも良い内容が、途中で入ってくるので読みにくく感じた点が私の評価を下げた…
ただ、中身の内容としては信頼に関する実験の説明や信頼のメリット、デメリット、勘違いや信頼の仕組みなどが書かれていて面白かった。
この本の要約に関しては、
訳者のあとがきが秀逸で、以下の通りにまとめられており、最後の振り返りとしても生きる内容なので、訳者後書も読むことを私は勧めます。
①誰かを信頼する際には、「あの人は信頼できるか」ではなく「あの人は、現時点で信頼できるか」と問うべきである。
②評判で人の信頼を予測できるとは限らない。
③信頼は誠実さだけで決まるわけではない。
※相手が信頼すべき能力があるかも重要
④赤ちゃんや幼い子供でも他者の信頼度をチェックしている。
⑤信頼関係ができていると、パートナーの振る舞いは実際以上によく見える。
⑥一時的にでも権力や金を持つ(持ったと感じている)とその人の信頼度は下がる。
⑦人の信頼度は表情だけでは読み取れない。
※行動の組み合わせで信頼度を読み取れそう
⑧人は他者の信頼の裏切りには厳しい目を向けるが、自分の信頼の裏切りには甘い。
これらは各テーマでの要約になっておりよくまとめられている。
⑦に関しては私自身は半信半疑であり、この本から10年ほどたって他の研究から明確には言えないのではと今時点の私は考える。
⑦以外は同意でき、私の直感からもある程度信頼できそうだと感じた。
この本は面白い本であることは認めているが、要所要所での考え方や推察が私にとっては確信を持てなかったことから評価は高くしないようにしたが、テーマである信頼というのはとても面白く、10年経ったいまではどうなっているかが気になるところでした。