【感想・ネタバレ】なぜ最近の若者は突然辞めるのかのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・本書の「若者」と「オトナ」の定義が曖昧。私はどちらに入るのか解らず読み進め、読み終わった。

・オトナがよかれと思って言ったりやったりしていることが、若者たちには「やってらんねー」になってしまう、この不幸な現状。
・3つほど「よかれと思うオトナ」VS「それが不満な若者」になってしまっている典型的なケース
 ―「メール送付のリマインド問題」
  ・大事なことはメールで済ませないで口頭で連絡がほしい。メール多すぎて埋もれるから。
   → 申し訳ありませんといいつつ、納得していない表情。
    (仕事のメールなんだから見落とすなよ。逆に俺が見落としたら怒るやん)
 ―「やる気アップのインセンティブ問題」
  ・2年目の子が売上トップだったので、朝礼で前に来てもらって、全員で祝福してもらった。
   → 讃えられている子は居心地が悪そう。
    (自分だけ意識高い風に見られるし、先輩に気を使うし、いい子ちゃんに思われちゃう…)
 ―「仕事なんでもテンプレ化問題」
  ・若者はすぐ答えを欲しがる。自分たちの頃は先輩のやり方を見て盗んだ。考えない子になっちゃう。
   → 答えがあるなら、それを参考にした方が無駄がなくて良い。
    (ただ、逆にマニュアル通りであれば、自分がわざわざやる必要もない)

・「イマドキの若いやつは…」の最古の事例は約5000年前の古代エジプトの壁画に象形文字で記されている。
・古代ギリシアの哲学者プラトンも「最近の若者は、目上の者を尊敬せず、親に反抗、法律無視、妄想にふけって道徳心のかけらもない」と嘆いている
・オトナが「イマドキの若いやつは…」というのは、時代についていけないことを無意識に察している。

・戦後最大の世代間ギャップは「ゆとり世代(1987年~2003年生まれ)」と「ポスト団塊ジュニア(1975年~1981年生まれ)」の間。
 2021年現在、ゆとり世代は18~34歳、ポスト団塊ジュニア世代は40歳~46歳。

・SNS上で生きてきたゆとり世代を理解する為に、SNSに対する彼らの感覚を理解する必要がある。
 ―フェイスブックは名刺や履歴書。若者たちはめったに更新しない。
 ―ツイッターは便利な情報収集ツール。つぶやく側も役立つ価値の有る情報を意識する。
  逆に役立たたない情報は裏アカでつぶやく。複数のアカウント・キャラを使い分ける。
 ―インスタグラムは承認欲求を満たすためのツールっぽい。基本的には24時間で自動的に消える「ストーリーズ」にアップする。
  その場のノリ感。

・上記のなんとなく共有されている使い方を逸脱したときに、仲間はずれになるリスクが発生する。
 ルール/マナーを守っているか、お互いに監視しあっている。SNS村社会。

・インスタグラム。思い切って買ったブランド物の洋服があったとする。見て欲しいと思った時、服を着た自撮りをドーンとアップしたりはしない。
 みんなで撮ったパーティの写真に写り込ませたり、服をさり気なく着用しつつペットを抱いた写真を投稿したりする。
 そこに、「その服新しく買ったの?かわいい!」などとリプライが返ってこようものなら、小さくガッツポーズ。
 (気付いてもらうのを茉。)

・自己表現は限りなく曖昧に。「このパスタ、普通に美味しくない?」「ナシよりのアリ」「わかりみが深い」
 はっきりと断定するには勇気がいる。発言の主体性を薄くする心理が働く。
 否定された時の自己防衛の為だけであって、自分の本音はしっかり持っている。

・若者たちは「キャラ的に」とよく口にする。誰がどのような性格であるかを、強く意識している。
 ツイッターのアカウントは3つ、インスタのアカウントは2つなどが当たり前。アカウントごとにキャラ付けがある。
 目立ちたいけど、目立ちすぎるのはリスク。

・職場で独り言のように「あー、最悪」とか「もうヤバい、しんどい」に対して、上司や同僚が「どうしたの?」と声をかけて
 「なんでも無いです。大丈夫です。」と帰ってきたときは、ほぼ大丈夫ではない。
 「すごく大変な仕事お願いしちゃったけど、すごく頑張ってるよね」。共感からの承認、コレが最大の薬。

・若者が望んでいるのは、先輩や上司ではなく、仲間。師匠や弟子ではなく、ひとつの仕事を協力して成し遂げる仲間。
 若者たちはマウンティングに敏感。「自分のほうが上」と知識をひけらかしたり、一方的に話す人にアレルギー反応を示す。

・若者に理不尽な上司とは?と聞いてみたところ、指示がコロコロ変わる上司や、簡単に前言を覆す上司という意見が多数。

・若者:タテ社会が苦手で、常に周りから見える自分を気にしていて、超合理的
 対応は、①まず関係性を作る、②共感を育み、心理的安全を提供する、③内発的動機に着火する、という王道のプロセス

・名前を呼ぶことは承認欲求を満たすことにつながるので、会議などであえて名前を呼ぶとか
 可能であればあだ名を付けるとかが効果的。

・若者が「自分がここにいていいんだ」と感じられる居場所づくりが重要だが、一歩進んだ「何を言っても否定せずに受け止めてくれる」居場所づくりも大事。

・ジョハリの窓。「秘密の窓」と「盲点の窓」が信頼関係を築くのに必要。
 ―秘密の窓:隠している自己をさらけ出す。自分の半生(失敗談中心)を語るとか。
 ―盲点の窓:自分は気づいていないけれど、他人に見えている自分。をうまく刺激する。

・目標を与えるのではなく、目標を共有する。自分が役に立っていることを感じてもらう。
 ただ、10割言われたとおりにしろはNG。8割テンプレ・2割余白がベスト。
 若者は無駄なやり直しが大嫌い。答えを示しつつ工夫する余地も与える。

・SNS村社会の若者には「守破離」の感覚が備わっている。
 守:最初は型にハマろうとする。自撮りが流行すれば、自分も自撮りする。
 破:型にハマると次はちょっとだけ独自の使い方を開発する。
 離:独自の使い方がハマってブームになると、自分がコミュニティを立ち上げる。
 つまり、最初はベースの型を欲しがる。言うとおりにしろと命令されたいわけではない。

・ワークライフバランスは人それぞれ。今の時代でも、生活の殆どを職場に捧げたいという若者もいるし
 残業は絶対したくないという若者もいる。
 現在は複業チックで、休日や夜間に仕事をして「とても大事なこと」ができなくなってしまう会社はまっぴら
 という人もいる。

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2021年07月08日

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