あらすじ
馬産地では何が起こっているのか。社台ファーム・吉田照哉氏、ビッグレッドファーム・岡田繁幸氏、HBA組合長・前川敏秋氏、メジロ牧場・岩崎伸道氏・日進牧場・谷川利昭氏、藤原牧場・藤原悟郎氏など約40名の関係者の生の声から、馬産地の現状と今後を浮き彫りにしていく。馬産地の実情を記した迫真のルポルタージュ!
【内容】外国産馬が勝った天皇賞/いま「馬の生産地」で何が起こっているのか/馬産地「日高」の光と影/次世代経営者が打つべき「一手」/社台、メジロ、BRFの熱い視線/これからの馬産地で生き残るために/成長の息吹と退廃の中で
【著者】山口県出身。北海道大学文学部国文科専攻を卒業後、株式会社リクルートに入社。1996年に同社を退社したのち、執筆活動を始める。同年、「優駿エッセイ賞」を受賞。著書『馬産地ビジネス』『馬産地放浪記』『三度怒った競馬の神様』『ウオッカの背中』『ウイニング・チケット』(原作)など。電子書籍『競馬 衝撃の敗戦列伝 敗北を糧に頂点を極めた名馬たち』『競馬 衝撃の敗戦列伝2 運命を分けた一戦の知られざる真実』『ウオッカvsダイワスカーレット』『超サバイバル時代の馬産地ビジネス』『JRAディープ・インサイド』など。競馬関連の著作について業界の内外を問わず高い評価を得ている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アグネスデジタルの天皇賞制覇を機に書かれた本で、日本競馬がかなり暗い時期。新潟三条が廃止され、北海道も危機の最中。このあと北関東3場が廃止される。
そんな中で、馬産地を巡って色々な人に聞き取りをした、画期的な本。安定扱いのメジロ牧場は既になく、マギーファーム小寺氏についてはネット上に変な噂話が載っている。マイネル岡田氏が勝負を賭けたカームとマイネルエクソンの結果も出ている。
ゼロから聞き込みをしているのが、かえって読みやすく、読者も作者と一緒に勉強している気分になれる。日本時代の若き吉田直哉氏の話などもあって、こういう時代に様々な方々の話の記録が残っているというのは本当に貴重だと思う。
どこまで作者の儲けになったのかわからないが、こういう本を書ける作者は素晴らしいし、あとに続いてほしい。
Posted by ブクログ
競走馬育成の、牧場部分にスポットを当てた一冊。
不況の折、大変なんだ。なんて一言じゃとても済まない、この現状が、ツライ。
と、馬産地とは無関係な私でも思ってしまうほど、リアルなルポでした。
Posted by ブクログ
関係者面して偉そうなことを書く輩が多いこの業界であるが、この人は自分の足で歩き回り、きちんと取材しているのが読みとれて好感が持てる。不況の影響をモロに受けている馬産地ビジネス。競馬を楽しむ人は、その裏側にある苦悩を知っておくべきだと思う。
Posted by ブクログ
著者が脚で稼いだインタビューにもとづく、馬産地の今を伝える秀逸なルポタージュ。
発売から3年立っていますが、この本の内容と、その後の3年を俯瞰すると、競馬の行く末が見えてくる・・・かも。
国民の余暇であるギャンブルの上に、これだけの産業が成立し、衰退の危機に面しているのも、経済が厳しい昨今、1競馬ファンとしてはいろいろ考えさせられます。