【感想・ネタバレ】フィリピン少年が見たカミカゼ―幼い心に刻まれた優しい日本人たち(シリーズ日本人の誇り 7)のレビュー

あらすじ

少年時代、誇り高い日本軍人と楽しい時間を過ごしたフィリピン人のダニエル・H・ディソン氏が、日本軍人の真実の姿と、崇高な精神について語った。
「長い間フィリピンを植民地としてきたスペインやアメリカに比べれば、日本のフィリピン支配はほとんどないに等しいものでした。日本は、そのたった四年の間にカミカゼ精神をもたらしてくれました。それは、フィリピンにとって最良のものでした」アジア孤高の精神・カミカゼの心。

<著者略歴>
ダニエル・H・ディソン(Daniel H. Dizon)
1930年フィリピン・マニラ市に生まれる。父ヴィンセンテ・ディソン氏は著名な芸術家。その後アンヘレス市に移る。11歳の時に第二次世界大戦(大東亜戦争)が勃発し日本軍の将兵達と出逢う。戦後は高等学校に進学し、卒業後は10年以上電気会社に勤務するが、フィリピン大学美術学部の奨学生試験に合格し入学。大学在学中に歴史学に興味を持ち、植民地時代以前のフィリピンの歴史を調べ始める。卒業後に旧日本軍の神風特別攻撃隊の事実を知り衝撃を受け、特攻隊と日本の歴史の研究に没頭。1974年に特攻隊が史上初めて発進した地、マバラカットにその記念碑を建立。現在も歴史研究を続け、自宅に開設した「カミカゼ博物館」で地元の子供達に特攻隊の精神と意義を説いている。

<目次抜粋>
第一章 アメリカはヒーローだった
第二章 街に日本軍がやって来た
第三章 懐かしい日本軍との蜜月時代
第四章 戦争末期の日本軍の惨状
第五章 カミカゼ記念碑建設へ
第六章 妻エンリケッタの思い出話
第七章 日本は何故戦争に突入したか
第八章 真の友情こそ私の願い
シリーズ「日本人の誇り」刊行によせて

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Posted by ブクログ

著者のディソン氏により1941年クラーク飛行場を空爆し日本兵が上陸した日本統治時代から1945年の終戦、1945年以降のフィリピンの様子が語られる。

緊張統治時代の一部日本兵による残虐面の様子、現地のフィリピン人との交流の様子、アメリカ植民地時代との比較…このフィリピン統治時代の日本軍は様子はあまり知る所ではなかったので本書によって改めて構築できた。

アメリカを追い出してから、時間が少なく限られている為にフィリピンへ最善を尽くしたが、時間が限られているという前提の統治だったので緊張状態で些細な事でも警戒し現地の人間を殺害してしまった日本軍の様子、現地ゲリラ軍に対する恐怖、本国からの支給がなくなり食料危機の中で現地食料を強奪してしまった様子、戦況の悪化により最善の策を講じて共栄圏を築こうとしたがアメリカ寄の現地フィリピン人に裏切られた事で理性を失ってしまった一部日本兵の様子…かなり詳細に当時の出来事が振り返られている。

著者のディソン氏はその後に猪口氏による神風特攻隊の本と出会い、自分の見た日本兵の記憶と照らし合わせ歴史の真相を探ることとなる。よって多くの賛同者や機会に恵まれ1973年に神風特攻隊の碑が同氏によって築かれることとなり、当時の日本兵の様子や神風特攻隊の本義、大東亜戦争の大儀が語られることとなる。

本書は単に当時の日本兵の様子を記憶を頼りに綴ったものではなく、大筋として黒船来航以降の日本の置かれた状況や世界情勢の様子、アジアを蹂躙した白人の支配欲、神風特攻隊に付随するテロ行為とは乖離した日本精神(アジア精神)における究極の姿をはっきりと見いだしている。

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2010年07月09日

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