あらすじ
【コインがわかれば歴史がわかる! 美術館、博物館では見られない、貴重なアンティークコインを多数掲載】
アンティークコインはそれ自体が美しく魅力的ですが、同時に重要な歴史的資料でもあります。為政者たちが発行したコインは世界最古の「メディア」であり、見方を少し変えるだけで、数千年前の人々の生活や文化を知る手がかりとなります。
本書収録のコインは、紀元前6世紀~紀元後2世紀頃に地中海世界で発行されたものが中心です。第1章「コインマニアックス」では、コイン1点1点をカタログ的に紹介し、刻まれた図像を解説しています。第2章「コインで辿る古代オリエント」では、コインに刻まれた人々の物語や歴史を紹介しています。
さらに付録として、収録コインのうち代表的なものの発行地をわかりやすく地図上に示した「コインマップ」や、コインの製造方法や流通について詳しく解説した「コラム」も掲載。楽しくコインを鑑賞しながら、古代オリエントの歴史をひもときましょう!
〈本書の内容〉
■CAHAPTER1 コインマニアックス
ギリシア本土のコイン
小アジアのコイン
エジプトのコイン
シリアのコイン
シチリア島のコイン
ローマ本土のコイン
ローマ属領のコイン
■CAHAPTER2 コインで辿る古代オリエント
英雄オデュッセウスの物語
英雄ペルセウスの物語
アテナとポセイドン
フィリッポス2世の物語
etc
■APPENDIX 古代ローマをもっと知るために
古典期のコインマップ
ヘレニズム期のコインマップ
共和政期のコインマップ
帝政期のコインマップ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
古代地中海世界の様子を、アンティークコインを通じて紐解いていく図版の豊富な本。1枚のコインから様々な事情が読み取れることがよく理解できる。文字史料だけではなく、こうした史料も活かした多角的な検討ができると、これまで知られていた歴史も、より生き生きとした姿を見せてくれるのではないだろうか。東洋史で言うところの墓誌みたいなもので。
Posted by ブクログ
紀元前5世紀から紀元後2世紀までの間にギリシャ、小アジア、エジプト、シチリア島、ローマ本土とその属領で発行されたコインの図柄と当時の時代背景をコインの写真と共に紹介した本。
小さなコインの裏表2面に記された図柄とわずかな文字だけでも、歴史や神話等の前提知識があれば十分楽しめることを教えてくれる。コイン図鑑兼歴史、神話書として一冊で2度美味しい。
なお、アンティークコインは最近日本でも資産形成の投資対象として人気があるらしいので、その気になれば、趣味と実益を兼ねることも可能かも。眠っていたコレクター魂を呼び覚まされそうで、ちょっと危険。