あらすじ
1969年6月、幕府を揺るがす〈アイヌの一斉蜂起〉が始まった。 本書はその近世最大の民族戦争〈シャクシャインの戦い〉の全貌に迫る一冊。 具体的な史料すべてに目を通しアイヌ伝承などにもあたり、実際の事件のあった現場に赴き、各地の博物館でも調べ、写真を撮り、実地検分をして、この戦いの事実を可能な限り再現しようとしたものである。
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Posted by ブクログ
「私たちは、シャクシャインの戦いの事実を知ることで、現代に対する歴史認識を磨き、先住権にまで目を広げることが求められているのである」
2023年の神保町ブックフェスティバルにおいて寿郎社の売り場はひときわ異彩を放っていた。ラインナップの純北海道的な個性ももちろん、寿郎社の方の熱意に撃たれて2冊を購入したうちの一冊が本書。
手に入れて確かな満足がある一冊でした。神保町でのセールストーク「シャクシャインの戦いだけに絞って書かれた本は、いまこの一冊しかない」。なるほどその通り。内容的にもこの戦いを多方面から分析する手法は重厚であり、大きな東アジア的地理関係の中で意味を見出そうとする、射程の広さも学びが多い。
冒頭に引用した通り、われわれ「和人」に対しての痛烈な問いかけが、ここにはある。耳にやさしい内容ではないが、論難されるような調子でもない。謙虚に学ぼうとする読者にたいして、その気をアシストしてくれるような本だと感じる。
Posted by ブクログ
平山裕人 シャクシャイン の戦い
シャクシャインの戦いの経緯と影響について論じた本。シャクシャインの戦いは 自由交易権をめぐるアイヌと松前藩の戦い。
著者は シャクシャインの戦いを、先住民族と国家の戦いとして見ている。松前藩に与えられた黒印状が 国家の権威であり、侵略戦争の大義名分となったという論調
異民族を保護しているという国家の上から目線が、ゴールドラッシュの利権と絡んで 侵略国家化している。近代における資本主義の兆候を示しているように読める。そのためには、アイヌ民族の根絶を言葉にしたり、アイヌの風習を悪用して 騙し討ちするのは、気分が悪くなる