あらすじ
いま私鉄は、高齢化、少子化、人口減少、ライフスタイルの多様化といった世情の大きな変化を受け、これまでの事業スタイルの変革を迫られている。岐路に立つ私鉄は、事業の根幹である「沿線」の新たな活用、価値向上に取り組もうとしている。著者は、取材歴30年以上のベテラン私鉄ウォッチャー。定住化促進、子育て支援、学校誘致、ショッピングモール、宅地開発といった私鉄沿線の「まちづくり」現場を歩き、その将来像を探っていく。
森 彰英(もり あきひで)
東京都立大(現首都大学東京)卒。光文社編集者を経て、フリージャーナリスト。著書に『「ディスカバー・ジャパン」の時代』(交通新聞社)、『東急の文化戦略』(ソフトバンクビジネス)、『「あしたのジョー」とその時代』『東京1964-2020』(北辰堂出版)、共著/『地方交通を救え!』(交通新聞社新書)などがある。
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Posted by ブクログ
目次を目にしただけで、山積みの課題に目がくらみそうになる。人口減少、都心集中、高度成長期の負の遺産。サバイバルなどありえるのか。
だが著者は、旅客人員の変遷や、定期・定期外別増減のグラフを元に、スカイツリー開業、タワマン需要と、活性化要因をもひもといてゆく。
田園調布や成城をはじめとする、かつての沿線高級地の変貌を取材し、阪急、東急の創業時代までさかのぼって、「まちづくり」の思想を考証する。
数世代分の変遷を踏まえて、職住接近や在宅勤務、女子会や地域密着型など、現代のスタイルを見すえた、住みたい沿線の考察。生き残り策は、まだまだありそうなのである。