【感想・ネタバレ】ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合うのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

きちんとしたデータや取材に基づいて、主に中学校における部活動が抱えている問題を指摘する本。
そもそも部活動は教育課程外の活動であるにもかかわらず、教員は強制的に部活動の顧問にさせられる。部活動は朝練習も、放課後練習も、週末の練習も、当然ながら勤務時間外。そして、自分がやったこともない競技の顧問をさせられた場合、その競技について勉強したり、審判できるように訓練を積んだりもしないといけない。顧問の指示で活動させている途中に生徒がケガをしたり、熱中症になったりしたら当然責任を負う。部活動内のいじめにも責任を負わなければならない。だからそうならないように、常に気をつけなければならない。でもそれは本来の仕事ではない。
私も15年間、苦労しながら部活動の顧問をしてきた。自分の学生時代は運動部に所属したことはない。本来の仕事である学級経営、授業のための教材研究、教科の勉強や研修に加え、土曜も日曜もなく部活動に時間を割かれるのは苦痛だった。楽しみでやっている立派な教員もたくさんいる。スポーツが好きで、部活動の顧問にやりがいを感じ、それがあるからこそ仕事が続けられるという方もたくさんいるから、そういう教員は素晴らしいと思う。大変尊敬する。私もそうあらねばならないと思いながら、それなりに努力もしてきたが、部活動以外の本来の!本来の!業務だけでもすごく大変なのに、私は部活動に楽しみを見いだせない。とにかく、休日は休まないと疲れる。
でも、これまで5つの学校に赴任したが、「部活動の顧問にならなくていい」という選択肢はまったくなかった。一度もそういう選択肢を示されたことはないし、議論になったこともない。部活動の顧問をしたくない、という発言は許されない空気である。
だけど、そのことで悩んでいる教員は実はたくさんいる。たくさんいるのに声を上げられずにいる。理由は「みんながしているから」。
これって、間違っている。みんながしているからおかしいと思っても声を上げない、というのは、いじめを黙認するのと同じような心理じゃないのか?教員がそんなことでいいのか?いや、だめだ、、、とこの本を読んで強く思った。さて、「私もう二度と部活動の顧問しません!」と言ってみようかな。
きっと大変なことが起こるだろうな・・・・・・・・・・・・・。

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2019年09月01日

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