あらすじ
恋、仕事、友人、家族......。淡々と生きてきたつもりが、導かれるように出会い、巻き込まれていく——。
ほのかに揺れる心と理不尽で理解の追いつかない状況を、冷静にも芳醇に切り取る女性「コスモ・オナン」の18の物語。
著者、初の書籍。Web連載で人気の作品に加え、書き下ろし一編を収録。
「どこか別の世界に連れて行かれた感じ。」
「なんだこれは。爽やかさがものすごい。」
「こんなに名フレーズの多い文章ないですよ。」
SNSで驚きの声続々! 新進気鋭の作家、稲田万里、誕生。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
彼女は、書く原動力が怒りだと言った。
しかし、やり場のない怒りをぶつけたはずの文章は、ユーモアに富み、リズムを与えられ、読者の心を掴む。
一言でいえば面白いのだけど、どの話も単純な感想に留めることは難しい。
ユーモアの裏の怒りと少しの落胆は、薄れることなくそこにある。
これは、彼女が彼女の怒りに対して行う供養なのかもしれない。
我々は供養されて文学となった彼女の怒りを見送りながら、自分の中の怒りや落胆を供養しているのかもしれない。
彼女の供養に心を重ねられる人々が、彼女に寄り添い、彼女に想いを寄せる。
にもかかわらず、次なる供養を待っている。
彼女も、そして我々も罪深い。