あらすじ
優れた企業を割安な価格で買える「魔法の公式」とは……
本書は、株式市場への投資で成功するための基本原則を示すだけでなく、利用しやすく、優れた企業を割安な価格で自動的に取得できるようになる「魔法の公式」を提示している。この公式は幅広く検証され、学界やプロの投資の世界におけるまさに大発見ではあるが、この常識に基づいた方法は六年生程度の数学と平易な言葉、そしてユーモアを持って納得がいくように説明されている。読者はこのリスクの少ない方法を使って、市場平均やプロの資産運用者に大差をつけて打ち勝つ方法を学ぶことであろう。またその過程で、株式市場の見方、どうしてほとんどの個人投資家やプロの投資家は成功を逃すのか、そして、どうしてこの「魔法の公式」はみんながそれを「知った」あとでも、機能し続けるのかを学ぶことだろう。
ビジネススクールで2年間過ごしても市場で得られる収益率を2倍にすることはできないが、本書を2時間かけて読めば、それが可能である。20年以上にわたり40%もの平均年間リターンを上げているゴッサム・キャピタルの創業者であるジョエル・グリーンブラットがいかに単純かつ容易に「市場に打ち勝つ」ことができるかを、本書は如実に示している。
ジョエル・グリーンブラットは、1985年のファンド組成以来、平均40%の年間リターンを上げている投資組合ゴッサム・キャピタルの創業者である。彼はコロンビア大学ビジネススクールの付属学科の教授であり、フォーチュン500社のひとつの元取締役会長であり、『グリーンブラット投資法――M&A、企業分割、倒産、リストラは宝の山』(パンローリング)の著者でもある。ペンシルバニア大学で理学士および経営学修士を修得している。
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Posted by ブクログ
【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年版第58位】
現代バリュー投資家の最高峰、
ジョエル・グリーンブラットの初心者向け投資本ということで
かなり期待して読んだが、
翻訳が読みづらく、なかなか内容がスッと頭に入ってこない。誤字も目立つ。
訳がひどいので、アメリカンジョークもそれほど笑えない。
もう少し読みやすかったら神本になり得ただけに、残念。
グリーンブラットの魔法の公式の要点は、
資本収益率(ROIC:return on invested capital)が高くて、
同時に株価収益率(PER)が低い銘柄を順位付けして、
その中で上位にランクされた銘柄を買えばいい。
それだけで市場平均を圧倒的に上回る成績を出せるというもの。
ただROICは計算が面倒なため、
もっと簡単にスクリーニングをするのであれば、
ROA(Return on Assets:総資産利益率)を25%以上に設定し、
PER(株価収益率)25%以下に設定、
さらに小型株効果に期待して
低時価総額の銘柄をピックアップすればいいことになる。
あとは選んだ銘柄を、短期的な価格の上昇に一喜一憂せず、
長期間に渡って保有し続けることができるかどうかがカギになる。
このことは名著「続・マーケットの魔術師で」
グリーンブラットが述べているように、
バリュー投資は必ずしもいつも、うまくいくわけではない。
短期的には、バリュー投資はうまくいかないこともある。
しかも、その状態が2、3年続くこともある。
それは非常に良いことです。
私達のバリュー手法が一定の間うまくいかないという事実こそ
まさに、長期的にはうまく行く理由なのです。
という有名なフレーズに集約される。
短期的な利益を期待する多くの個人投資家には、
頭ではわかっていても、実行するのは難しいんだよなぁ。