【感想・ネタバレ】仕手相場のレビュー

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Posted by ブクログ 2011年06月29日

裏切りにつぐ裏切り。乱れ飛ぶ巨額の現金。うごめく魑魅魍魎たちの群れ。自分もかつてこの業界に身をおいていたのかと思うと、ぞっとするような内容です。

今、続編が手に入ったので読んでいるのですが、読んでいてものすごくイヤな気分になったことを覚えています。それは、自分がかつていた世界がここまでエゲツないと...続きを読むころであることと、内容が現在読んでいても、まったく古びていないことだった。それは、業界の体質がそのままだということを意味している。僕はここに描かれているようなことはさすがに体験していないが、ある人に言わせると、
『人をだますノウハウを一番蓄積しているのがこの業界だよ』
とのこと。

足を洗ってよかったと、今では本当に思う。要は人を騙す才能がなかったということである。それはさておいて、内容をかいつまんで言うと、舞台は病に倒れ、一敗地にまみれた『コブラの星正』といわれた相場師星田正が手放した大桑商事。その雪辱を晴らすために四人の相場師が呼ばれ、関西の生糸・乾繭相場を戦場に巨額の仕手戦が繰り広げられますが、昨日の敵は今日の味方。今日の味方は明日の敵。

という内容で、読んでいて訳がわからなくなりましたが、相場を吊り上げるために巨額の費用がこれでもかといわんばかりに乱れ飛ぶ描写が戦慄を覚えるほどです。経済の知識がないと面白さは半減しますが、それを堪えて最後まで読み続けると、突き抜けた面白さがある小説です。

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