あらすじ
現場では優秀だった社員が昇進して管理職となったとき、陥りやすい状況がある。
「働いても働いても仕事がなくならない」「がんばっているのに成果が上がらない」などがそれだ。自分がプレーヤーだったころは良かった、もしかしたら自分は管理職に向いていないのだろうか、管理職は思ったよりラクじゃない、とお悩みのマネジャーも多いことだろう。
だが、実はそれはあなたがやるべきでない仕事をしているせいだとしたらどうだろう。
概して、プレーヤーとして優秀な人ほど、部下に仕事を任せられずすべてを自分で処理しようとしてしまうものなのだ。
管理職にとって重要なのは、仕事を「どうやるか」だけではない。そもそも「何をやるか」をきちんと把握していなければ、やる仕事そのものを間違えてしまう。パイロットに例えれば、空港を間違えて見事に着陸するようなものだ。
しかも、部下に仕事を任せないということは、あなたの仕事が増えるだけではない。部下の自主性や自立心も奪うことになり、何もいい結果を生まないのだ。
「1分間マネジャー」とは、自分はほとんど動かずに、部下を上手に動かして輝かしい成果を上げる人のこと。本書では仕事を「サル」にたとえて、それが「あなたが世話をするべきサル」なのか、「他人が世話をするべきサル」なのかと問いかける。これはなにも、ビジネスマンだけに当てはまる話ではない。本書をすべての悩める「時間がない!」人たちに役立ててほしい。
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Posted by ブクログ
「やる価値のないことを効率的にやる価値は無い」
業務効率化という話になると今の業務をどう効率化すればいいのか、と考えてしまうが、そもそも自分が対応する必要のないサルを抱えているのではと考えるきっかけになった。
「部下のために仕事をするのであって、部下の仕事をするのではない」部下が困っていて自分ができそうだと感じると、つい自分でやりたくなってしまう。もちろん対応できるのだけど、抱えすぎると逆に部下からフォローされるようになる。全くこの本に書いてある通りサルをたくさん抱えてしまっている自分に気がついた。今では簡単なことも、自分がやり方を教えて部下に調整も含めてやってもらうことで少し楽になった。
Posted by ブクログ
部下のサルを世話しない!「部下の仕事」は部下に任せる。
短時間で読める名著だった。まさに今の自分への戒めのような本だった。
・マネージャーは、部下のために仕事をするのであって、部下の仕事をするのではない。
第一条 サルの特定 〝次の対応〟を具体的に決める。
第二条 サルの世話係 〝次の対応〟の担当者を決める。
第三条 サルの保険 万一のリスクに備える。
第四条 サルの定期健診 進捗報告会の日時と場所を決める。
・「人を味方にしたいなら、その人に頼りにされてはいけない。その人を頼りにすることだ」
・「それもこれも仕事に対する考え方が変わったからだ。私の意識は ワーカー から マネジャー に切り替わった。私がおぼえたのはサル管理だけではない。 現場で働く 手ごたえを、 現場を管理する 手ごたえに変えることも学んだ。」
Posted by ブクログ
この本を読んで、下記の3つを実践しようと思う。
・安易に部下のサルを引き受けない
・資料は口頭で説明をうけてその場で分からないことは質問して理解する
・責任を持ってもらうために、我慢する
気になる文章を引用する
本来なら部下がやるべき仕事をふたつ引き受けたことになる。
ひとつは問題への対応、もうひとつは進捗状況の管理
部下のために仕事をするのであって、部下の仕事をするのではない。
責任感を育てるには責任を与えるしかない。
提出物関連のサルにかける手間を省くことに成功した。企画書などを部下に提出させるとき、デスクの上に置くのではなく 持参させることにしたのだ。
第一条 サルを特定する 上司と部下は〝次の対応〟を具体的に決めるまで、話し合いを切り上げてはいけない。
第二条 サルの担当者を決める 各サルに善処するには現場の人間に託すのがいちばんである。
第三条 サルに保険をかける サルを部下に託すときは、どちらかの保険をかけなくてはいけない。
●Aタイプ 上司の承認を得てから着手する
●Bタイプ 着手してから上司に報告する
第四条 サルの健康診断を実施する 現状確認はサルの健康管理に不可欠。どのサルにも定期健診を受ける