あらすじ
用途別に6つ以上の国を使い分け、様々なリスクを分散するPTのライフスタイルは、節税のみならず、テロや政治暴力、経済危機、自然災害、人的災害などのあらゆるリスク回避を可能にします。
あらゆる危険が降りかかってくる現在のような状況下において、終身旅行者はその危険を国家単位で回避・分散するのに最も有効な方法のひとつです。今、個人が国家を選び用途によって複数国を使い分ける時代が到来しています。
第一章ではまず、世界からみた日本のリスク(自然災害や、国家債務ほか原発リスク)を、多数の資料から考えてみたいと思います。その国に生まれたからというだけで、一国にすべてをゆだねてしまうことがいかに危険なことかが分かることでしょう。日本一国だけに住居や金融資産、ビジネスを集中していることの危険性(卵を一つのカゴに盛った状態)をご理解いただけるはずです。
第二章では激動の世界で生き残るためのさまざまな分散について見ていきます。居住や、事業、財産の分散を考えた場合、個人個人程度の差こそあれ、日本以外の海外を利用する様々なメリットをご理解いただけるはずです。大事な卵は複数箇所に分散した方が安全です。
第三章ではPTの実例と、分散する国として利用価値の高い国々の事情を見ていきます。皆様の分散先としての、国籍を持つ国、ビジネスを営む国、居宅(居住権・永住権・市民権)を持つ国、資産運用を行う国、余暇を過ごす国、寄付をする具体的な国々がきっと見つかるでしょう。
そして第四章では、いよいよ実践に向けてお話をしていきます。終身旅行者になるにあたっての各種手続きについて、実例をもとに具体的に解説していきます。ここまでくれば、読者は真に自由な終身旅行者の人生へと、羽ばたいていくことができます。
私たち日本人は、これまでは一生懸命に働きさえすれば、ある程度安定した豊かな生活を享受することができました。しかし、その時代はもはや遠い過去のものです。これからはあらゆる面で非常に厳しい
環境の中で、一人ひとりが知恵を振り絞って生き残っていかなければなりません。
このような時代に私たち日本人がすべきことは、日本一カ国に自分や家族の運命をゆだねずに、国家の運命と自分や家族の運命を切り離すことです。つまり大事な卵を複数のカゴに分けて盛り、リスクを分散することです。そして自由な終身旅行者の人生に向けて自ら行動を起こしましょう。
本書で提案するのは個人が国家を選ぶ新しいライフスタイル(生き方)です。それは「究極の人生設計」といえるでしょう。
木村昭二
東京生まれ。慶應義塾大学卒業、オックスフォード大学サイードビジネススクール、OxfordGlobalInvestmentRiskManagementProgramme終了。複数の金融機関、シンクタンク等を経て現在はPT(終身旅行者)研究家、フロンティアマーケット(新興国市場)研究家、マジック(奇術)研究家として調査・研究業務に従事。日本におけるPT研究の第一人者。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
PTという概念を知ることができ、思考の枠を広げてくれた本。
タックスヘイブン(投資先)としての海外投資は知識としては知っていたが、居住やビジネスまで広げ、海外各国の制度を網羅しているのはさすが。
ただ、日本国籍・日本在住で、日本で働く人にとっては、実行が難しいと感じた。
まずは香港のHSBCにでも口座開設して様々な投資商品を検討する程度のアクションが、できる範囲か。
Posted by ブクログ
PTを目指す人に必要な情報が分かりやすくまとめられている。
日本の非居住者になるということが、どのような定義なのか、日本の法令を具体的に解説してくれており理解が深まった。タックスヘイブンとなる国々の居住者資格を得るにはどのようにすればよいのかなど、情報が沢山。なかなかココまで踏み込んだ関連書籍は少ないと思う。
高いが得られる情報は多く、PTというものについての詳細とハードルの高さが同時に学べる一冊。
Posted by ブクログ
PTとはPermanent Travelerの略で、終身旅行者。
具体的には、用途(国籍・ビジネス・居宅・資産運用・余暇・寄付)によって複数の国を使い分ける生活スタイルのこと。
なので、よくある投資本のような何かに特化した形ではない。
そういう生き方があるのだという新たな視点をもらえる。
海外の普段は名前くらいしか知らないような地域の表面的な情報が手に入ったり、少し現実感を持って考えさせられる。
でも、実際PTになるのは、やはりハードルが高い。
PTになりたい、と思って手に取ったわけではないからかもしれないが。