あらすじ
ゴヤの絵の情景を劇的な音で描き出したグラナドス、スペインの栄光への想いを歌い上げたロドリーゴ、極限まで美を追求したラヴェル、印象主義と象徴主義の拮抗する時代を彩ったドビュッシー……。スペインとフランスには、天才的な音楽家が数多く存在する。ピレネー山脈を越えた異文化の交流が、彼らの才能を何倍にも増幅させ、百花繚乱の魅力に富んだ音楽が生まれた。本書はそうしたクラシックの名曲の数々を、作曲家や作品ゆかりの土地など多種多様な痕跡にふれながら紹介する。天才はスペインから生まれる。芸術家はフランスで磨かれる。生涯の友となる音楽に耳を傾ける幸せ、五感を刺激される喜びに満ちた音楽案内。
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Posted by ブクログ
ラ・フォル・ジュルネの2013年公式本。
この年のテーマに合わせ、スペインとフランスの音楽史や
音楽家について紹介してあります。
サティ・ラモー・クープラン・フォーレ…。
あるいは
ビゼー・ファリャ・グラナドス…。
などなどの人生や
それぞれの音楽を得意とする演奏家たちについて。
有名でメロディは知ってるけど、詳しいことは解ってないまま
付き合ってきた音楽家のことも、平明な説明で
読むことが出来ます。
小難しい書き方はしていませんが、どの項目にも
生きた人間のドラマがあって、心が音楽を作り、奏でさせる。
そんな印象を持たせます。
また、著者が本当に惚れ込んだ曲や人のエッセンスを
きちんと客観化して文にしているので、感情が豊かに
伝わるのに、読者を置いて盛り上がってしまったり
していないのは感じがいいです。
本当にインタビューや旅行に立ち会ったような
温度感のある本でした。
気軽に読めますし、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに
行かれなかった方がご覧になっても全然問題ありません。
楽しい音楽案内としてお読みになってはいかがでしょう。