【感想・ネタバレ】日本は再生可能エネルギー大国になりうるかのレビュー

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Posted by ブクログ 2013年01月09日

筆者は高温超電導の研究で世界的に有名であり、福島原発事故独立検証委員会、いわゆる「民間事故調」の委員長でもある。5章構成の冒頭である第1章は、3.11福島原発の事故の様子を改めて振り返ったものであるが、今まで読んだ原発事故に関する記述の中では最もわかりやすく、かつリアルなものであった。この部分だけで...続きを読むも、できれば一読をお奨めしたい。
この事故が、首都圏を含む3000万人の人たちが避難をしなければならないという最悪の事態にまで至らなかったのは、まったくの偶然が重なったからにすぎないという事実には、思わず鳥肌が立つ思いだ。また、エネルギー政策の現状と問題点や今後の展望についても、平易な表現でありながら詳しく丁寧に語られているので、エネルギー問題に関心のある方には、うってつけの良書と言えよう。惜しむらくは、何か他の案はなかったのだろうかという気がしてならないタイトルのイマイチ感がもったいない。

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Posted by ブクログ 2012年07月25日

原発事故について民間事故調の見解、今後の再生可能エネルギーのメリット、デメリットなどが図、表を用いて論理的に書かれていると思います。東電批判、政府批判ばかりせず、自分たちがどう動きたいか代替案を示す材料になるのでは⁈

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Posted by ブクログ 2012年07月01日

福島「民間事故調」委員長の新刊。前半は震災後の政府・東電・科学者による情報処理、事故対応の総括と問題点を客観的に要約。後半は、今後数十年単位の視点で、再生可能エネルギーの導入をどのように進めていくべきかを、政策インセンティブ・コスト・諸外国の状況も考慮しながら分析。昨今のエネルギーに関する言説や主張...続きを読むは、ともすれば感情的・断定的・即時的になりがちだが、より多くの人たちにこの本を読んで欲しいと感じた本。

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Posted by ブクログ 2012年12月25日

脱原発なのか、原発存続なのか、二者択一の議論が多いですが、元東大教授、JST理事、原発事故調査委員会の委員長としての立場で書いてあるので、1つの考えとしてはバランスが取れていると思います。

前半は原発事故の問題点で、原発事故調査委員会の委員長としてもかかわっているので感情論ではなく、科学者としての...続きを読む視点があって面白い。後半は、脱原発として考えるとしたらという諸外国の例や可能性を、ロジックでエネルギーを代替できるのかを考えているのかがわかりやすい。

政治の争点にもなりやすいですが、感情論ではなくて、原発の危機想定が未熟だったように、実際の想定をせずに結論を急ぐのは危ないと改めて感じました。

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Posted by ブクログ 2012年09月07日

日本が今後、どのようにエネルギーの舵取りをしていったらいいかを、諸外国との比較によって示されていたので、分かりやすかった。

驚いたのは、外国が原発を廃止する方向へ進んでいるかと思ったら、そうでもないことが書かれていたことだ。
スウェーデンなどは、化石エネルギーはほとんど使っていないが、4割近くの原...続きを読む子力を使っている。
日本の原発が全て止まったので、世界もそうかと思ったらそうでもないようで、興味深い。

本書はもっと難しいかと思ったら、僕でも分かりやすくて、3日で読むことができた。

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Posted by ブクログ 2015年06月07日

福島原発事故独立検証委員会委員長の手による再生可能エネルギーへの移行の可能性を定量データを基に客観的に論じた一冊。
前半は福島原発事故の分析に充てられており、組織と個人が非常事態においてどのように失敗に至るのか、言い換えれば組織のルールや文化が個人の判断と行動にどのような影響を与え、それらの判断と...続きを読む行動の一つひとつが逆に組織に対してどのように影響するのかがわかる。
後半は再生可能エネルギー移行に向けた分析とシナリオであり、「『原子力はいやだ』という国民感情と、『原子力がないと経済はめちゃくちゃになるぞ』という…経済界からの警告との、二者択一の議論」に対して「もう少し定量的な議論をしなければならない」という筆者のアプローチは、ともすれば感情的な極論に走りがちな日本の現状において、貴重な材料を提供してくれる。
標準的な新書の分量だけれど、前後半で2冊分読んだ気になるほど、それぞれに中身が濃く、読み応えがある。

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Posted by ブクログ 2012年08月29日

福島原発事故独立検証委員会の委員長の著書で、中身の半分近くが、原発と事故対応に割かれています。ちょっと、タイトルと違うぞ。

肝心の「再生可能エネルギー」の中身ですが、ざっくり言うと、省エネで総量を減らし、海外に流れているマネーを再生可能エネルギーに向かわせればいける、ということ(ざっくり言い過ぎた...続きを読む)。洋上風力は漁業と、太陽光発電は農業と、地熱発電は温泉産業と、それぞれ兼業すればよい、と。

走り方というよりも、スタートラインに立つ覚悟、のような、そんな感じ。

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