【感想・ネタバレ】女たちが語る阪神・淡路大震災 1995-2024のレビュー

あらすじ

『女たちが語る阪神・淡路大震災 1995–2024』——あの時、声を上げた女性たちがいた。今も変わらぬ不平等に、問い続ける。
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が都市を襲ったとき、避難所や仮設住宅で、女性たちは苦しみに直面していた。性暴力、家庭内暴力、プライバシーの欠如。震災はただ建物を倒しただけでなく、社会の根深い不平等をも暴き出した。
本書は、あの震災から30年を経た2024年、女性たちの視点で綴られた貴重な証言と記録。
ウィメンズネット・こうべを中心に、支援活動を担ってきた女性たちは、性暴力防止、DV被害者支援、女性の居場所づくりなど、震災の痛みを力に変えてきた。
「避難所で男女雑魚寝は世界のスタンダードですか?」——国連人権委員会との対話の中で発せられた問いが、日本の災害とジェンダーへの関心の低さを浮き彫りにした。
男性中心で進められた復興政策に抗し、政治参画や防災計画へのジェンダー視点の導入を目指した彼女たちの闘い。
震災の記憶を風化させず、不平等な社会に問い続ける女性たちの記録は、いまを生きるすべての人にとっての希望と行動の手がかり。災害とジェンダーを見つめ直す、新しい一歩がここにある。

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Posted by ブクログ

神戸の書店で見つけて購入した
わたしが読んだのは96年1月に出版されたもので、厳密には登録した本とちがうけれど、その分被災直後の生々しい声が満ちていた
(悲観的だけで無く力強い声もたくさん掲載されていて、励まされる部分も多かった!)

阪神・淡路大震災は多分わたしがはじめて認識した大きな災害だったように思う
小学生だったわたしは、テレビから流れる被災地の様子に衝撃をうけたものの、あまり自分ごととしてとらえることは無かった
あれから30年が経ち、日本は様々な災害に見舞われてきた 中でも東日本大震災や能登半島地震、能登豪雨などは記憶にまだ新しい
けれど避難所の様子や女たちに課せられた役割、被災者を更に苦しめる性暴力は改善されているのか
行政は繰り返される災害にどんな手をうってきたのか 
40代シングルである立場として、この本のなかで語られる女たちの言葉は余りに生々しく、自分と重なる部分に考えさせられた
家や仕事、身内のケア、今の行政のシステムではきっとわたしは切り捨てられる立場だろう だからこそもっと真剣に真摯に、自分の立場や周囲の女性や社会的弱者の生活、街の在り方を、観察し考え続けていかなければいけないなと感じた

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2025年03月23日

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