あらすじ
謎の解決の糸口は 猫の記憶を覗く“あの”儀式。
鎌倉の人々と猫の優しい物語。
『猫を処方いたします。』著者・石田祥氏、推薦!
鰹節の芳しさと、“アレ”。――どちらも幸せな香りです。
目を閉じて、思い切り吸い込んでみたくなります。
鎌倉の片隅に佇むかつお節屋「カツヲ堂」。
夢に破れた青年・凛は、店主のおばあちゃんのもとに身を寄せていた。
ある日、近所の人に困りごとを相談され真相を探ることになったが、解決の糸口は摑めない。
そんな時、おばあちゃんから【猫吸い】の儀式を教わる。それは、猫のお腹に顔を埋めて香りを吸い込むことで、“猫が見た過去”を追体験できるというもの。
凛は猫吸いで得た情報をヒントに謎を解いていく――。
これは青年が猫に導かれれ、居場所を見つける心優しい物語。
プロローグ
第一章『カツヲ堂といなくなった猫』
第二章『僕の血液型と二度助けられた猫』
第三章『迷子の子猫ちゃんとストローおじさん』
第四章『消えたタイムカプセルと番猫』
最終章『吾輩は、ソウセキの猫である』
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
連作短編集5篇
舞台から離れた役者の凛は鎌倉の鰹節店カツヲ堂で働くことに。猫のおばあちゃんに教えてもらった猫吸いという技で猫の記憶からいろいろ推理する。
やさしい凛の性格が猫たちも含めてみんなを包み込んでいる感じがいい。題名は変だけど、読後感はとてもいい。後、かつお節レシピも参考になります。
Posted by ブクログ
おばあちゃんと「カツヲ堂」を切り盛りする凛。ある儀式を経て猫にもらったヒントから謎を解く。ファンタジックでツッコミ所もありつつ読み進めると…?となってた箇所も最終章でスッキリ。ストーリーがとにかく優しくて温かい。読めて幸せな作品。
Posted by ブクログ
本屋さんで見かけて気になり購入した本。
猫好きなので惹かれる要素しかなかったです。
猫飼いあるあるの猫吸いで謎を解決していく!?
って思ったのですが、
謎解きとかは勝手にストーリーが怖いというイメージがあったのですが、前に読んだ本からこういう謎解きなら読めるかも!と思いました。
ストーリーが5つになっていて、その町で起きる謎を猫吸いで解決していくんですが、
とても面白かったです。
主人公が自分の居場所がないと逃げ出し、行き詰まっている所にとあるお店の記録帳が届く。
そこからそのお店を開けるようになり、お店の切り盛りをしつつ謎を解いていく…
カツオだしの表現が素晴らしくて、目を閉じるとそのスープがあり、匂いがしてきそうです…
優しい気持ちになれる1冊でした。
Posted by ブクログ
猫を吸うことで、その猫の記憶をたどって謎を解く。
なんとも不思議な能力を持つ凛。
「おばあちゃん」のことは、そうだろうな、けっこう早くに予想がついたけど、商店街の人たちとの関りや、「カツヲ堂」に集まる猫たちが魅力的だった。
猫たちとあんなに仲良くなれるなんて、羨ましい!
凛のもとに持ち込まれる謎も、物騒なものではないので、かるく読むことができてよかった。
最後に、凛自身のことにも決着をつけることができたし。
猫さんたち、本当にありがとう。