【感想・ネタバレ】邪な囁きのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。その感情は他人に向けたものではなかったが。
あとがきにもあるように、子供の風船を割って回るような小さなものであれ、他人の不幸を喜ぶような邪な気持ちを持っている事は自分自身否定できない。それが実際に行動に移され表に出てくることは非常に稀であるが。
あの感情はなんだろうかと本を読みながら考えていたが、一種の全能感への憧れのようなものではないかと思う。
パイロットという特殊な職業、イケメンで高収入、高層マンションに住み好きな酒はウィスキーのオン・ザ・ロックという中二的な大人の男像にやれやれと思ったり、正田が引き起こす数々の事件に「そんな何回もバレずに事が運ぶ訳ねーだろ」と思いつつも、墜落のシーンで死の恐怖と愛に目覚める、邪悪さと人間らしさの対比には戦慄を持って読む事ができた。

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2014年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新年早々泣かされたました。
最後の方の飛行機事故は結構悲惨だろうけど、あっさりした描写。

「死にたくない。もう一度、彼女に会いたい」
「あの人が地獄にいるのだとしたら…そこでもう一度、あの人に会いたい。あの人がどれほど邪悪な人だったとしてもかまわない」
穢れた純愛って言葉が浮かんだ。

『あいつ』ってそういうオチか…
少し肩すかしだった。

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2012年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人の中に巣食う囁き、その正体は。

大石圭作品の中では、少し薄めで少し異質。「飼育したい男」の弱い版、という感じで…でも、もっと奥深くを掘り下げて、という感じ。

誰もが一度は考えたコトがある「if」が描かれている。
考えこまない人用。

文章の表現による「怖い」は無いかな。
想像して、自分と重ね合わせることの「怖い」は人によって違うので、難しい。

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2012年05月16日

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