【感想・ネタバレ】斜め論 ――空間の病理学のレビュー

あらすじ

ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延び」と「当事者」の時代へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。垂直から水平、そして斜めへ。時代を画する、著者の新たな代表作! 自己実現や乗り越えること、あるいは精神分析による自己の掘り下げを特徴とする「垂直」方向と、自助グループや居場所型デイケアなど、隣人とかかわっていくことを重視する「水平」方向。 20世紀が「垂直」の世紀だとすれば、今世紀は「水平」、そしてそこに「ちょっとした垂直性」を加えた「斜め」へと、パラダイムがシフトしていく時代と言える。本書は、ビンスワンガー、中井久夫、上野千鶴子、信田さよ子、当事者研究、ガタリ、ウリ、ラカン、ハイデガーらの議論をもとに、精神病理学とそれにかかわる人間観の変遷を跡付け、「斜め」の理論をひらいていこうとする試みである。著者は、2015年のデビュー作『人はみな妄想する』でラカン像を刷新し、國分功一郎、千葉雅也の両氏に絶賛された気鋭の精神医学者。デビューから10年、新たな代表作がここに誕生する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「垂直方向の特権化を批判しつつ、しかし現代的な水平方向の重視にかんぜんに乗るわけどもなく、「斜め」を目指すこと」(p281~282)

本書の問題意識にまったく同感。いかにつながりを再構築するか。濱口竜介監督の映画や、東畑開人氏の著作・実践などなど、現代の知識人・アーティストらが抱える問題意識とシンクロする。

とくに第三章 「生き延び」の誕生──上野千鶴子と信田さよ子 が気になった。

本書が、また新たな実践や著作を生み出していくことだろう。

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2026年06月30日

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