あらすじ
日本が世界に誇る一兆円企業、トヨタ自動車。そのトヨタのDNAであり、いまや世界の生産現場で活用されている業務改善手法が、ご存知「トヨタ式(トヨタ生産方式)」です。しかし、トヨタ式を「知識」として理解していても、実際の「知恵」として活用することはなかなか大変。そこで本書はトヨタ式の生みの親である大野耐一氏の直弟子が、このブラックボックスともいえる「現場の知恵」について、自らのノートをひも解きながら平易に語りました。「『仕方がない』を禁句にせよ」「成功は『あと少し』の積み重ね」「一気にやるより一番にやれ」「結果よりステップを重視せよ」「『必要か』で動け、『可能か』ではない」「基本の繰り返しにマンネリはない」など、自分自身を劇的に改善するヒントが満載。創業以来、途切れることなく脈々と受け継がれてきたトヨタの源流が、いまあきらかに!『トヨタ流 仕事の哲学』を改題。
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Posted by ブクログ
団体をまわす側の人間として読むと非常に参考になる。
ライバル会社さえ知っているトヨタ式。
それを実例を交えつつ読み解くのが本書である。
今まで「モノづくりはヒトづくり」など多く言われてきたが、どうやら誤解していたようだ。
私自身が捉えていたのは「モノづくりから学ぶことは多く、そこからヒトが育つ」というもの。
実際それもあろう。多くのイベントでロボット作りを活き活きと楽しむ子供たちを見れば一目瞭然。
自分でもモノ創りに没頭し、仲間と共有し、その大切さは肌で感じてきた。
だがこの解釈は「モノづくりはヒトづくり」の言葉の一面に過ぎない。
ここでの重要な解釈とは
「まずヒトを組織内で『つくら』ないと、満足のいくモノはつくれない」ということである。
ルールも志も無く、めちゃくちゃにモノを作っても売れはしないのだ。
本書ではいかに「ヒトをつくるか」をエッセンスとして抽出してある。
人間を感情を持つ動物として捉えつつも、それを包括して育てる手法はトヨタならでは。
「言い訳をする頭で実行することを考えよ」という言葉にそれが集約される。
不況の今、「ピンチをチャンス」として捉えるトヨタはどう「トヨタ式」で乗り切るのか。
武勇伝が楽しみである。