【感想・ネタバレ】古代人の教訓 視野が広くなる、世界最古の教えのレビュー

あらすじ

今から4000年以上前から、すでに現代人が抱える仕事や日常の悩みを解決していた!現代人にも使えるヒントを紹介。
本書での古代人とは、ゲーテやニーチェよりも数千年前に生きた古代エジプト人です。
これらの格言・名言・金言を綴った古代人エジプト人とはいったいどんな人物をひも解きながら、古代人たちが残した44の格言を紹介します。

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Posted by ブクログ

読み物として面白かったですが、「教訓」については「現代でも言われていることは古代から言われていることも結構ある」という感じで、個人的に新しい発見的な気付きでは無かったです。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

身体機能が古代から現代まで変わらないならば、人間の身体欲求も大きく変わらない。それゆえのトラブルも共通だ。性の問題、食の問題、人間関係の問題。だから「古代人の教訓」も「現代人の教訓」も大きく変わらない。そこから人間の本質が見抜けるような気もする。

—— この身体だから、この社会であり、それによるトラブルがあって、そのための教訓がある。

飲み過ぎるな。目立ち過ぎるな。口は災いのもと。当たり前のことばかり書いてあるなぁ…と読むのではなく、その変わらぬ悠久の時に思いを馳せるべきなのだろう。

ー 「心が豊かであるときのパンは、悲しみとともにある富よりも素晴らしいものである」心と腹が満たされている人生は、お金はあるが悲しみをともなう人生よりも美しきものだ。

貧しくても学生時代は幸せだった。古代人もそんな価値観だったのだろうかと嬉しくなる。負け惜しみや統治のための詭弁でないことを願いつつ。

読み進めると私が冒頭に述べたようなことが、もっと響く言葉で書かれていたので、これを引用したい。神の言葉ではなく、我々ヒトの言葉なのだ。生理現象が社会をデザインし、人間をデザインしている。学ぶことが多い。

ー 古代エジプト文明は、洗練された社会を約3000年間にわたって維持・継続した。彼らが最も尊んだ考え方が、古代エジプト語でマアトと呼ばれた「正義」「秩序」であったことが大きな理由であろう。年長者や社会的立場が上位の者たちによって、そのマアトを次の世代に伝えていくことが求められたのである。そのためにさまざまな形態の文学作品が書き綴られた。神話や物語、あるいは教訓文学・知恵文学というものである。そこには現代社会にも通用する数々の「教訓」や「戒め」あるいは助言が含まれている。このようなことは、あらゆる宗教の経典や宗教活動に見られることではある。そしてそれらは、我々日本人が共感する内容でもあるのだ。社会における人としての節度、常識、戒め、立ち回り方がそこには示されており、それらはまるで現代人の身の周りや家庭内で日々みられる場面をそのまま切り取ってきたかのようである。

ー ポピュリズムの台頭や格差社会が叫ばれる今こそ、古代の声に耳を傾けようではないか。それらは神の声ではなく、我々と同じヒトの声なのだ。大小のコミュニティーのなかで大切に語り継がれた言葉には普遍的なものだけが残るのだ。そこにはきっと混迷を極める現代を読み解くヒントがちりばめられているはずだ。

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2025年12月24日

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