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Posted by ブクログ
読みかけて途中で挫折した大江健三郎の本が沢山ある。この本を最後まで読みきったということは、年をとってあらゆることに興味を持つようになり、多少とも読解力がついた証左である。
国語が極端に苦手な子供に少しでも分けてやりたい。
大江健三郎の作品は確かに読みづらい。私小説的であり、背景にあるものの説明は全くない。
この小説も水死という題名で終戦直後に亡くなった実父の謎をたどろうとしたのだが、早い時点で諦め、ウナイコという演劇女優や自分の周辺を取り巻く話が脈絡もなく、展開し、どうなることだろうと読み進めていくが、最後に衝撃的な事件が起きて、何とか小説的な幕引きとなる。
この分かりにくい、途中で投げ出したくなる小説を読みきったことで、もう一度作者の他の作品にも再挑戦してみようかと自分を奮い立たせる役には立ったのだろう。