【感想・ネタバレ】食べごしらえ おままごとのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても好きなエッセイだった。
お料理というよりもその背景にある熊本の人たちの暮らしや土の匂いが漂ってくる。著者の父親の生きざま、貧乏であるからこそ人間のプライドに向き合うということ、お金を使わずに食べものと向き合うこと。

現代では難しい、とても難しいことが書かれていて心が痛いところもあったが、少しでも心の隅におきながら生活したいと思う。お団子とか、お菓子が作りたくなった。年に一度や特別なとき、四季折々のお祝い事など、折にふれてこんな料理をしてみたいなと思う。

醤油のいいにおいが心に流れ込んでくる本。

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2020年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今のようにどこかで買ってくるのではなく、自分で収穫して、自分で作ってたべるのがあたりまえだった時代のたべものの話。

時代は昭和初期で、もちろんその頃自分は生まれていなかったのに、まるで、自らが同じような経験をしたことがあるかのように光景が浮かんでくる。
つくづく、文章の力というのは素晴らしいと思う

話し言葉もすべて方言で書かれていて、天草弁がどんな調子で話されているのか、想像しながら読むのも楽しい。

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2012年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「椿の海の記」を先に読んでおいてよかった。
グルメエッセイって苦手なのだが、本書は作者自らグルメではないと主張、印象的なタイトルへつなげる。
実際読んでいて浮かぶのは食べ物そのものではなく、そんな食事や料理を営んできた人々の姿だ。
特に作者の父母や弟の顔が、もちろん知らないけど浮かぶかのようだ。もちろん「椿の海の記」の影響。
石牟礼道子は1927年生まれ。わが祖父と同じくらいか。ちなみに、
三島由紀夫は1925年生まれ。
水木しげるは1922年生まれ。
育ちや環境は全然異なるが。
以下メモ。

父の歳時記への拘り。
母が子を五日で喪う。
馬の背さながらの俎板。
子を寝かしつける母は即興詩人。
流産した産婦さんに、赤ちゃんはすぐまた、のさりなはります、と母。
誕生日も命日も夫に任せきりだった母。亡くして初めて困る。笑い泣き。
子油徳利を語るうち、こわくなる母。
みんみん滝。おみよが身投げして蝉に生まれ変わって。
獅子舞の口を開けて、アーンしなはりまっせ、ほら、と正月の料理を若衆に。
リヤカーで行商にいくとき、5つの娘を連れることで、夜道のこわさを紛らわせる母。
菖蒲を切りにゆくときは主人公のように思っていた弟。父が息子に、菖蒲を鉢巻きのように巻いて。
から薯→おさつ。
どっさり作る→ものごとをする。
宮沢賢治が特別の位を与えて、苹果と読んだ。
解説は池澤夏樹。

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2022年07月20日

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