【感想・ネタバレ】人間の本性を考える 上 ――心は「空白の石版」かのレビュー

あらすじ

人間を決めるのは「生まれ」か、それとも「育ち」なのか。いまだに議論の応酬がやまないこの論争に介入し、世界中で大反響を巻き起こした認知心理学者スティーブン・ピンカーの代表作。本書でピンカーは、人間の心は「空白の石版(ブランク・スレート)」であってすべては環境により決定されるという議論に対し、性差など「生まれつき」の要素を無視することはできないとして徹底的な反証を繰り広げる。現代科学の膨大な研究蓄積を武器に、「人間らしさ」の根源を問う、現代の古典というべき一冊。上巻は、人間本性の存在を否定することの危うさを論じた「第III部 四つの恐怖を克服する」まで。

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Posted by ブクログ

ー 私は自由意志の問題を解決したと主張しているのではなく、行動の原因がつぎつぎと解明されていくなかで個人の責任を存続させるのに、自由意志の問題を解決する必要はないということを示したにすぎない。また、抑止は美徳を促進する唯一の方法だと言っているのではなく、抑止は、責任をもつことに価値をあたえる有効成分として認識されるべきだと論じているにすぎない。そして何よりも私は、人間本性の科学をいらざる恐怖の種にしてしまう、二つの誤謬をうまく追い払えたことを願っている。

一つは、生物学的な説明は責任をなしくずしにしてしまい、環境的説明はそれをしないという誤謬である。二つめは、因果的説明は(生物学的説明も環境的説明もともに)責任をなしくずしにしてしまい、因果によらない意志や魂が存在するという信念はそれをしないという誤謬である。 ー

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2026年09月30日

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