【感想・ネタバレ】風待草の香るときのレビュー

あらすじ

昔も現代も、人の想いは変わらない。
真心も虚偽も正義も、常にそこにある。
読書好きの高校生小峯結風香は、母から、曾祖母が戦争中に預かったという古いノートを託された。
彼女と同じ歳の少女が、戦争中に記したそのノートを読み進めていくと、先の大戦の様子が生々しく描かれながらも、将来への希望や恋心は、時代を超えても変わらない大切なものとして、同年代を精一杯に生きた女学生の、恋や青春が浮かび上がってきた。
そして今、梅の香る中で、風を待ち続けた少女の想いが、時を超えて結ばれる。

著者が、父母や祖母、伯母たちから聞いていた大戦中の事実や生活、東京と多摩の史実と、現代の学生たちの監修を受け、彼らの視点を織り交ぜて綴った世代を超えて心に響く青春の物語。

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読みやすかったです

戦時中の女学生のノートが、当時の等身大の気持ちや生活を書き、それを読む現代の女子高生が戦争の進展を説明していく形で物語が進んで行くので、恋愛小説として読むこともできるし、歴史ものとして読むこともできる小説で、そのどちらも満足できる内容でした。
説明にあったように、その時代を生きた人たちの葛藤がリアルに書かれていると思います。
戦争が日常だった時代と、現代の当たり前との対比も良かったです。
神風が吹くことを心待ちに工場で働く女学生と、戦地に行った恋人(?)が、お互いに梅をつけて呼び合うぬくもりと切なさを感じました。
時を超えて、梅の香りの風の中で、長い間離れていて、歴史に埋もれてしまうような小さな想いが結ばれたのは、待ち続けた本当の風が吹いたように思えました。
繰り返して読むと、また違った視点から見えるような気がします。

#泣ける #切ない #深い

0
2025年08月14日

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