【感想・ネタバレ】金ピカ時代の日本人のレビュー

あらすじ

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ベッドの妻に呼びかけるロス疑惑の三浦和義、非業の死を遂げた山口組四代目組長竹中正久、大事件の当事者等、80年代を駆け抜けた「濃い」キャラクタの日本人を撮り続けたフォーカスカメラマンの備忘録。貴重な写真満載!

嘘みたいなあの時代!

貿易黒字世界一、外貨準備高世界一、海外資産高世界一、日本全土の土地価格がアメリカ全土の2倍、日経平均株価39000円、愛人バンク・ノーパン喫茶・AV等エロ商売の新風、そして『フォーカス』の発行部数200万部。
伝説の写真週刊誌『フォーカス』専属報道カメラマンが掲載写真とともに綴った日本のバブルタイムと撮影秘話。

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Posted by ブクログ

著者はカメラマン。写真週刊誌の草分け「フォーカス」に創刊当初からかかわり、数々のスクープ写真をものにした。

本書はそんな著者の、カメラマンになるまでの経緯と、フォーカス時代の撮影秘話を当時の写真とともに記している。

バブル景気前から、その全盛期と衰退までカバーされており、加えて欄外に各年の流行語、流行歌、主要な出来事等々が記されているので、一定年齢以上の人であれば、本書を読むことであの狂乱の時代を、簡単に思い出し振り返ることができるようになっている。

80年代の日本を、社会と文化面でわかりやすく把握できる良書だと思った。

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2022年02月19日

Posted by ブクログ

直前に読んだ本が「『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代」。70年代の『りぼん』のふろくに来るべき80年代の消費文化の序章を見出す、という論考でした。80年代の消費文化のことを田中康夫が「金ピカの80年代」と呼んでいたことも書かれていました。無意識に次に開いたのが、本書「金ピカ時代の日本人」。ちょっと偶然に驚きました。こちらは写真週刊誌『FOCOUS』の1981年の創刊から専属として時代に向き合い続けてシャッターを切り続けてきたカメラマンの写真と証言です。時代に向き合う、というより社会の欲望と自分の欲望を重ね合わせた1957年生まれの著者の青春プレイバックでもあります。(あとがきには編集者から自分史を入れるように…という指示があったと打ち明けられています…)記憶から零れ落ちている事件や人物が次々蘇り、著者と近い世代の自分にとってもプレイバック、プレイバックでした。この時代は「知る」ことではなく「見る」ことの欲望が露になった結果、写真週刊誌というジャンルの急激な生成に繋がったのでしょう。あるいは「見られる」舞台が生まれたことで起きた事件もあるのかもしれません。そういう意味でこの本の表紙と最後(から1枚前の写真)を飾る人物が全裸監督村西とおる、というのも象徴的です。それにしても『FOCOUS』と『りぼん』というメディアの違いなのか、同じ欲望でもおっさんの欲望と少女の欲望の違いが興味深く、その後の時代から現在まで続くのは、おっさんの欲望の果てしない敗北の連続なのでは、と妄想しました。まあ、それにしては、おっさんの欲望、まだまだしぶといか…

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2021年09月23日

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