【感想・ネタバレ】出版・新聞 絶望未来のレビュー

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Posted by ブクログ

卒論のために購入した一冊。私が参考にしたかったテーマは、日本では何故電子書籍は売れないのか。本書では、電子書籍のヒットに成功したアメリカと比較して分析した点で、非常に分かりやすく、理解も深まった。また著者は、電子メディアからもたらされる出版不況の現状を述べた後、本書の終わりにかけて、出版業界だけでなく、様々な業界にまで負の影響が及ぼされていると警鐘を鳴らしている。ごく当たり前に大多数の国民が利用しているスマートフォンの存在が、日本の産業を脅かしていると考えると、極めて恐ろしく感じる。
2015.12.18

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2015年12月19日

Posted by ブクログ

光文社を早期退職した著者の、出版業界の現状に対するなんとも言えないモヤモヤシリーズ、というと悪意があるか。
で、どうしよう?がなかなか見つからないこの手の話。日本全体の構造不況みたいな要素も少なからずあるとも思うし…モヤモヤするよなー。

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2013年10月01日

Posted by ブクログ

ITの進歩は結局のところ失業と格差をもたらしている、99%が反抗すべきはウォール街じゃない、ってとこが慧眼。

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2013年02月09日

Posted by ブクログ

電子化で苦境に立たされる新聞・出版業界の現状報告。著者は光文社が実施した希望退職者募集に応じてフリーとなったジャーナリスト、評論家。新聞・出版業界にとっての結論は、ほぼ書名の通りで、救いや希望や逆転の戦略が提示されているわけではないが、読みやすく書かれており、出版社社員である私にとっては、目の前で起こっているあれこれの事象を多少の距離を取って俯瞰することができた点で有益であった。

業界や企業の構造的な浮沈は歴史的宿命として受け入れるしかないとしても、コンテンツの劣化や報道力の衰退が文化と民主主義の危機をもたらすとすれば、絶望だけしているわけにはいかない。

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2012年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本が売れない、新聞の発行部数が下がっていると言われている。しかし、電子書籍市場を見ても、必ずしも伸びているわけではない。その最大の理由は、著者が指摘しているように、日本と違ってアメリカには書店が街にあるとは限らないことだ。ニューヨークのような大都市なら本屋はあるが、地方都市行くと本屋と呼べるところは、大学がないかぎりなかなかお目にかからない。そういう状況で電子書籍を読む選択肢が出てくれば、書籍や雑誌が読みたい人たちにとっては、ありがたい存在なので手が伸びる。

 反対に、日本では、地方都市でも、よほどのことがない限り書店があり、数日遅れでも最新本が手に入る状況にある。それならば、洋書や洋雑誌を読む人でもない限り、電子書籍に手が伸びない。

 新聞の売れ行きが下がっている原因としては、インターネットのニュースを無料で読めば済むと思う人が増えていることだ。それに、新聞社も企業であり、営利を追求している面はあるので、何らかの偏りがあり、たとえば世論調査で調査の仕方に怪しいところがあるなど新聞に対する信頼あるいは、新聞信仰が薄れているのも原因と考えられる。

 新聞社の側も、何とか収益を上げようとしている。たとえば、日本経済新聞は、課金制をとっている。参考にしているのが、あの経済紙Financial Times とWall Street Journalだ。両社ともに世界を代表する経済紙で、課金制にしても他では手に入らない情報を売り物にしているだけになかなか読者が減らない。

 しかし、日系の場合、よく言われるのが、紙の新聞と電子版の共存を図るためにデジタル版単独では月4,000円、デジタル版と併用の場合新聞購読料金プラス1000円という値段設定にしている。著書によると、2010年に始めた課金制度が、2年後には、20万人の有料読者獲得とある。日経の場合、企業や企業の商品、サービスを取り上げた記事を書いて会社員を中心とした読者がいる点で他の新聞とは違う特徴がある。しかし、その日経にしても、いつまで紙の媒体とデジタル版の両面作戦で行けるのかはわからない。あのウォールストリート・ジャーナルの日本版は、月1980円だけに、よほど読みたくなるような記事が載っていないと、読者が消えていく可能性は避けられない。

 最後は、有料でも無料でもコンテンツ次第だ。せっかく読むからには何か興味がもてるコンテンツを読みたいもの。脳をビビビと刺激するような面白いものを提供してもらいたいものだ。

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2012年12月11日

Posted by ブクログ

なかなか出版を取り巻く中の人が言い出せないことを歯に衣を着せずにさらけ出している面では、ある一定の評価。
しかし出版の遙か外にいるいち読書好きが見るこの業界の動向としては、電子書籍ビジネス以前の既得権益に触れられていないところが、非常に残念であり、そこに触れていないところが中の人の限界なんだろうなと思わせる。

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2012年11月15日

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