あらすじ
アニスフィールド・ウルフ図書賞受賞の文芸大作
長崎への原爆投下でドイツ人の許婚を失った寛子は、戦後、彼の異母姉を頼って単身インドのデリーに渡る。インド・パキスタン分離独立、ソ連のアフガニスタン侵攻、2001年同時多発テロ――激動の現代史に翻弄された日本人女性の生の軌跡を描く圧巻の文芸大作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんとまあ。重い。息を飲むように美しく官能的な場面と、そしてまた息を詰める緊迫した苦しい場面。すごい。
気づけばこの人『帰りたい』の人ではないか。またびっくりしている。
Posted by ブクログ
1945年の長崎原爆投下、1947年のインド・パキスタン分離独立、1998年のパキスタン核実験、2001年の米同時多発テロとを、力技で一直線に繋いで見せる野心的な長編小説。
著者は英語で執筆するパキスタン出身の女性であり、現在では英国国籍を取得している。長崎については訪問歴はなく関係書類の渉猟によって書いたのだという。
非常に語るべきことの多い内容だが、作家をめぐるあれこれも現代的で面白い。母国語で書かないということ、国籍の問題、舞台になる中央アジアの国境線の曖昧さ問題、モザイク状に複雑なパキスタン・アフガニスタンの民族宗教問題。
今世紀の世界文学が背負わざるを得ない宿命を、律儀に全部受け取ろうとしているのかのような、てんこ盛り感。