あらすじ
中学生の宝子は、
川沿いのアパートで妖怪の父3人――
大天狗の慈楼坊・河童の珊平・死神の鎌一とともに暮らしている。
人間じゃないうえに性格もクセつよ。
でも一人娘への愛情だけはたっぷりな父達のもと
楽しい毎日を過ごしていたけれど…?!
笑いと涙と妖怪が大渋滞v
ヘンテコ家族コメディ、元気いっぱいに開幕!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ノスタルジックな絵柄は、多くの妖怪が登場する、この『もっけの万々歳』にはピッタリだ。
藤田和日郎先生やみなぎ得一先生、ともつか治臣先生と言った、濃い目の絵柄で描かれる妖怪漫画が好きな私を、しっかりと満足させてくれた。
私自身が、割と、妖怪のバトルありの作品が好きな事もあって、物足りなく感じてしまうのでは、と読む前は不安だったが、それは杞憂であったようだ。
三体の妖怪、河童、死神、大天狗がお父さんとして、一人の人間の少女を育てているってストーリーには、新しさっつーか、オリジナリティを感じ取れる。
血の繋がりがないどころか、種族そのものが違う訳だが、三体のお父さんを、ヒロインの宝子は心から慕っている。
まぁ、宝子は中学生、つまり、思春期真っ盛り。当然、多感な時期である。
鎌一、慈楼坊、珊平の事は家族として大好きではあるにしろ、人前で激しい愛情表現をされたら恥ずかしい、と思っちゃう年齢で、そのささやかな反抗心が実に愛らしい。
そんな三体の妖怪と一人の人間が「家族」って形で、毎日、楽しそうに過ごしている姿は、ほっこりする一方で、若干の嫉妬心を読み手に抱かせる可能性もあるっちゃある。私は、こんだけ、ろくでもない家族で苦労しているのに、どうして、と宝子の笑顔にイラついてしまうかもしれない。
寂しさを抱えていたり、心が亀裂だらけになっている漫画読みに、負の感情を芽生えさせる力があるってのは、さすがに、誉め言葉にはならんか・・・
どの回も面白かったが、個人的に強く印象に残ったっつーか、この先生、やりおる、とビビったのは、第六話「家族」だった。ネコマタの変身回や口裂け女騒動も、これはこれで良いのだが、一つだけを挙げるなら、やはり、この第六話「家族」だ。この重さと明るさの混じり具合が絶妙な回を読んで、感想を書こう、と決めたくらいだ。
この台詞を引用に選んだのは、男前だなぁ、と拍手を送りたくなるほどのものだったので。
ハッキリ言っちゃえば、このクロスケって名前の猫又、見た目は可愛くない。
ゆるキャラ味はあるっちゃあるんだが、どうにも、可愛い、と言えるトコまで突き抜けておらず、かと言って、キモカワイイってジャンルにも今イチ、入ってない。
微妙と言っちゃ失礼だが、中途半端な見た目なのだ。
いや、もちろん、水木御大を意識しているってのは伝わってくる。
しかし、何か違う、が強い。
だからこそ、これを言える、飼い主への愛に、グッと来てしまった。
いわば、一種のギャップ萌えだ。
次の巻でも、彼が頑張る姿を見れたら嬉しいな。
「キツくていいのだ。バァさんを喜ばすためには、本物にならなきゃいけないんだ!絶対にへこたれない」
「おばあさんのこと、大好きなのね」
「うん、バァさんは、オレにとって、母であり、姉であり、友人であり、恋人だ。オレは、バァさんが、この世で一番、大事なんだ」(byクロスケ、宝子)
Twitterで試し読みができて、なんとなく気になっていた作品。
思い出せて買えて良かった!
こーいう人間じゃないキャラと人間の同居話も好き。
ネコが水木しげるタッチで「すっくっ」と立ってるの何度読んでも笑っちゃうw
でもネコの話はラスト辺りはどうしても泣ける。
早くババアに話しかけろよな、ネコ!
貧乏神と虎谷さんの話はBLか!?と思いきや、思ってたよりBL寄りにならない...!
虎谷さんがんばれ!負けるな!!!