あらすじ
「リーダーなんて、イヤだ。まっぴらごめん」という人が増えています。
「責任をもたされてまで働きたくない。重荷だ」
「自由な時間を奪われたくない。窮屈だ」という理由が背景にあります。
また、リーダーになったとしても、
言葉の通じない若手に対して、ハラスメントを恐れてお客様扱いの腰の引けた指導になってしまい、
部下には「上司に魅力を感じない」「ここは、成長できる環境ではないと」思われ、
退職していきます。
とはいえ、大きな仕事を成し遂げるには、チームが欠かせません。
そんな現状のミスマッチを解消するのが、リーダーの「覚悟」です。
著者は、チームメンバーは、リーダー自身を映し出す「鏡」であると言います。
部下を一人前にする、育てる覚悟、職場を変える覚悟、
それらを実行して行けば、部下は更に限界を超えて行ってくれるのです。
著者は、厳しいと知られる生保営業業界にて、フルコミッション(完全歩合制)という働き方を選び、
自分自身がトップになるだけではなく、
トップクラスの営業パーソンを5000人(うち大勢の所長や支社長に任命される)も育ててきた
「プロを育てるプロ」とも評される方です。
本書で語られる言葉は、
「メンバーは、わかりやすいリーダーを好きになるのであり、
何を企んでいるかわからないリーダーには心を開かない」
「メンバーの相談に乗ってばかりではなく、逆に、相談に乗ってもらう」
「相手の言葉よりも“顔”を見て内面を探れ」
「上機嫌なリーダーを目指す、自らの感情をコントロールする強さをもつ」などなど、
どれも具体的で、厳しさと優しさに溢れています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最近読んでいたビジネス書ではリーダーはプレイヤーになってはいけない。と言うような内容が多かった。
この本は、「プレイヤーファースト」であるための考え方や、どう行動するべきかを教えてくれた。プレイヤーにならない教科書。
その中で心に残った言葉を一つ紹介。
「上機嫌」と言う名の最高級のオーダーメイドスーツを身にまとい、自らの感情をコントロールする強さを見せてほしい。
私も明日から毎日最高級で最高なオーダーメイドスーツを身にまとっていきたい。
Posted by ブクログ
目次の内容そのまま、とても良い内容だった。
▼文化で一体感を生む
・貢献が根づいたチームが最強
貴重な情報をライバルにも提供する、スキルを惜しげもなく仲間にシェアする。そんなカルチャーを醸成させるのがリーダーの役目。
・「なぜ働くのか」を示すメンターであれ
「世の中の役に立つ」という〝使命感〟なくして、動機づけられることはない。意義ある〝理念浸透〟を日々刷り込んでいく。
・「どうなりたいか」の前に「どうあるべきか」
成果を出すためになら何をやってもいいわけではない。レギュレーションで「人間力」が強化されれば、チームは劇的に変わる。
・チーム内に流行語を広める
リーダーの言葉がチームの未来を創る。ポジティブな口ぐせをアウトプットし、強いセルフイメージをつくる。
・笑いの効能を侮るな
どれだけ楽しい会話ができるか。笑いを演出できるエンターテイナーがメンバーを健康かつ幸せにする。
▼自分を磨き続ける人
・リーダーとメンバーは役割分担。お互い、その道のプロ
能力レベルと「職責レベル」は別次元。道徳観や倫理観を養えば、チームで壁を突破できる。
・群れない。媚びない。馴れ合わない
孤独を楽しめなければ、リーダーの資格はない。他責にせず、人からは独裁者と言われてしまうようなアクションと、あらゆる事前の根回しこそ、究極のマネジメント術。
・社内政治で汗をかけるかは、メンバーのため
難題を抱え、泥をかぶる覚悟があるかどうか。リーダーは、チームを信じるしかない。
・能力をきわめても成果が頭打ちになる
道徳観や倫理観、教養を養えば、壁を突破できる。今目の前の仕事のなかでの能力上昇だけでは、成長に限界がくる。
・トップラスのリーダーは上機嫌で人格者で最強ポジティブ
つねにメンタルを整える。心の弱さは決して見せない
▼教え、育て、見守る
・ナレッジ、スキル、マインドのバイブルを作成して公開する
メンバーは頼れる教科書や信じられる参考書を求めている。
・メンバーの成長を信じ抜く美学が奇跡を起こす
メンバーは心から自分を信じてくれるリーダーをがっかりさせたくない。裏切れない、喜ばせたいと思うためには信じ抜く。
・感情を上手に使う
信じて任せる際には、仕事の重要性や将来性、チームへの貢献度など、感情を前のめりにさせる要素を付け足す。
・うちの子にかぎって...と真実から目を背けない
メンバーを疑うことは思いやり。人間として信じても、行動のみは疑うことが成長を促す。
・リーダーも共犯者になる
失敗から得た“気づき”や“軌道修正”をシェアする
・弱点をさらけだす「もたれ合い」の信頼関係は大事
甘えられない関係は「まだ成熟していない」という証拠。甘えのキャッチボールを繰り返し、楽しむことが、信頼関係を築く。
・教え方と教える内容はつねにブラッシュアップ
リーダーはスキルが錆びないように常に刃を磨き、リーダー手動のトレーニングがあれば必ず成長がある環境をつくる。毎月ブラッシュアップがなければおかしいと疑うチームをつくる。
▼目標と達成組織
・目標はスタートで握る
一歩目のダッシュをお互いコミットメントし、図り、すぐにフィードバックすることでゴールを見失わなくなる。
・「がんばります」を「できます」に変える
行動に向かって何をやるのかを明確にした行動目標を宣言させる。やみくもにがんばらせない。
・仕事の割り振りは不公平でいい
難度感、成長幅、パフォーマーに仕事を割り振り、ローパフォーマーと差をつけていく。
・胸躍る世界へようこそ、という牽引力こそが、真骨頂
報酬や恐怖で人を動かさない。成長や経験こそが人生の大きな報酬であり、ご褒美であるという話を普段からする。
▼褒める、引き出し、ときに叱る
・「1on1」は、「おもてなし」のレビュー
チーム体験を見返しながら、徹底して傾聴し、「関わってくれて嬉しい」と感じてもらうコミュニケーションをとり、情報を収集する。
・パソコンを閉じて真正面で向き合う
多忙であればあるほど、真摯にメンバーと正対し、話を聴く姿勢を崩してはいけない。
・質問力を巧みに操り、自尊心を満たしてあげる
メンバーが喜ぶ質問を繰り返し、大事にしているアイデンティティをあぶりだす。
・皮肉屋になって嫌われないように、叱ることを我慢しない
事象に絞って、ストレート勝負でズバッと叱れ。
・SOS信号を見逃さない
言葉よりも「顔」を見る。サインをキャッチしたら、メンバーが抱えている問題と直面する。
・期待をはるかに超えた「承認の嵐」
人は承認されていないと思いがち。うるさいくらいに好きなとこ、承認すべきところ、ほめるところをいつ何時でも伝える。それができれば指導力が100倍に進化していく。できる人は伝えられる。
メンバーがリーダーに心から望んでいることは、大きな達成や成功を手にする前に、「成長」させてくれるかどうか。成長させてくれることは、未来への”希望”と言い換えられる。
それを実感できるのか。どれだけ失敗しようと、どれだけ叱られようと、“希望”があれば、がんばれる。
そうして得た「成長」こそが、何よりの「対価・報酬」となっていく。