あらすじ
今夜も俺が甘く蕩けさせてやる
いや、みんなに聴かれちゃう♡
30歳にして花形部署を率いる頭脳明晰なエリート×仕事の疲れをイケボ配信で癒すアラサーOL
〈あらすじ〉
「こんばんは、俺の愛しいお姫様たち……今夜もたっぷり楽しませてあげる」新人の頃のトラウマが原因でイケメンが苦手なアラサーOL萌香は、社内のトップセールスが集まる営業第一部へ異動になる。部署の部長・榊は、萌香の新人時代の教育係でトラウマの要因を作った人物だった。しかし榊が、萌香がお気に入りの人気イケボ配信者であることがわかり、萌香がそれを手伝うことに!?
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Posted by ブクログ
新人時代の苦い記憶から「イケメンが苦手」になってしまったアラサーOL・萌香。異動先の営業一課は、社内でも実力派揃いの花形部署。そのトップに立つのは、かつて教育係として萌香を追い詰めた張本人である榊部長。
彼に対してずっと“苦手意識”を抱いていた萌香は、不安と緊張の中で新しい部署での仕事を始めることになる。
ところが、思わぬところから状況は一変する。実は榊が、萌香が長く癒しとして聴いてきた“人気イケボ配信者”だったという衝撃の事実が判明。仕事では冷徹なエリート、裏では甘い声で人を蕩けさせる配信者。
そのギャップがなんとも反則級で、ここから二人の距離が一気に縮まっていく。
萌香の中で、かつての恐怖が「誤解だった」と解けていく描写が丁寧で、彼の見え方が変わる瞬間の空気がとても良い。
榊側もまた、彼女を気遣いながら距離を詰めてくる姿が随所ににじんでいて、「こんなふうに守られたら好きになるに決まってる…」と思わず頷いてしまうほど。
イケボ配信中の甘い囁きと、仕事中の冷静でストイックな態度。この二面性が物語のアクセントになっていて、“耳で落とされる”という表現がぴったりくるほどの破壊力がある。
また、萌香が少しずつ榊を信じ、仕事でも恋でも前に進む姿は自然で共感しやすい。重くならず、ふわっと甘く、ちゃんとドキッとさせてくれるバランスで進むので、読んでいて心地よかった。
全体として、“溺愛モードの上司×癒やされたいアラサーOL”という王道オフィスラブを、イケボというスパイスでより魅力的にした作品だと感じた。