【感想・ネタバレ】アラン ――戦争と幸福の哲学のレビュー

あらすじ

アランは思想の体系化や理論化を嫌い、具体的なものを目の前にして語り、ノートを毎日持ち歩き、プロポ(哲学断片)を綴り続けた。名著『幸福論』を通じて広く親しまれてきた彼の哲学には、二度の世界大戦が影を落としている。戦争の愚劣さを体験するため、自らすすんで従軍し、危険な前線に立ったアラン。その言葉は、暗い現代を生きる私たちに何を投げかけているだろう。生涯と思想の断片をつなぎ、「考えるとは否と言うこと」というアランの声に〈いま〉耳を傾ける、第一級の評伝。

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Posted by ブクログ

『アラン』田中祐理子(ちくま新書)を読む。『芸術体系』を読んでいるときに、この本が「泥だらけの戦場」で書かれたとあって、その戦場とはどのような状況だったのかと思っていた。第一次大戦の思考と現実を描いた『アルス』の紹介がこの本の中心にある。『幸福論』の裏にあるアランの戦争体験を「煉獄」と表現しているのだが、じつは私たちの「煉獄」こそ考えるべきことなのだろう。

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2025年12月24日

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