あらすじ
「俺を愛しているという言葉しか聞きたくない」
悪い男と噂の騎士団長様を籠絡するはずが、甘い愛執で囲われて――
その可愛い声で俺の名を呼べ
冷徹無慈悲な黒騎士様×落ちこぼれ魔術師
失意の底だった前世から、乙女ゲームの最弱魔術師に転生したユノ。今度こそ成り上がろうと、推しキャラではない不遜な騎士・レオンに極秘任務で接近するが、彼とは魔力を増強し合える「つがい」だと発覚。するとレオンは、周囲を顧みず蕩けるキスで魔力を注いできて!? 際限なく求めてくる彼に愛を囁かれ、初めて知る熱情に陥落しそうになり――。
本作品はWeb上で発表された『ツンデレ騎士は運命の乙女魔術師を溺愛する』に、大幅に加筆・修正を加え改題したものです。
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Posted by ブクログ
前世で大きな挫折を経験したユノは、転生先で“乙女ゲームの世界にいる最弱魔術師”という微妙な立ち位置に生まれ変わり、今度こそ自分の人生を立て直そうと奮闘。
そんな彼女が極秘任務として接近するのは、推しキャラですらないし、むしろ“悪い噂の黒騎士”と言われるレオン。でも、この「推してなかった男が運命の相手でした」展開が想像以上にドラマチックで、読み進めるほどハマってしまいました。
ユノは決して「強すぎるヒロイン」でも「守られてばかりのヒロイン」でもなく、ほどよい不器用さとまっすぐさを持つ等身大ガール。
怯えも喜びも迷いもちゃんと描かれていて、前世からの弱さを抱えながら、それでも前へ進もうとする姿がすごく愛おしかったです。
読者の気持ちと並走してくれるタイプで、感情移入がしやすいのも魅力。
一方のヒーロー・レオンは、「執着」「独占欲」「甘やかし」「庇護欲」の全部盛り。
最初は冷徹で近寄りがたい雰囲気なのに、ユノが“つがい”だと発覚した瞬間、心の扉が一気に開いてしまう感じが……もう、圧倒的“雄”。
ただ甘いだけじゃなく、近づくと危険なくらいの熱量なのに、ユノに対してだけは限りなく優しいのがズルすぎる。
そしてこの作品、イラストの完成度もめちゃくちゃ高い!
表情や衣装のデザインが本編の雰囲気と完璧に噛み合っていて、絵を眺めるだけでテンションが上がる。
でもすごいのは、挿絵がなくてもシーンの映像が頭に自然と浮かんでくるところ。
特に終盤のレオンが“敵か味方か”揺らぐくだりは、光の差し方や表情の影まで想像できるような迫力がありました。
まさに「絵が見えないのに絵になる」タイプの物語。
また魔力や“つがい”の設定もうまく活かされていて、単なるご都合主義ではなく「関係性の強度」を描く材料になっているのがよかったです。
レオンがユノを求める理由がちゃんと“運命+彼自身の恋心”で説明されてるから、甘いシーンの重みも段違い。
ストーリー全体にテンポの良さと読みやすさがあって、とにかく“ページが止まらない”。
転生もの、乙女ゲーム系、執着ヒーローが好きな人には安定して刺さるし、ユノの可愛さとレオンの包容力のコンビがとにかく最強でした。