あらすじ
1988年1月7日生まれ。東京ドームと同い年。
猫のケンカを止めることを生き甲斐にしていた少年時代。
その後、保健体育を学び「あれは交尾だったのか」と愕然とする。
高校時代は弱小野球部の補欠として声出しに明け暮れる。
試合に出れず声ばかり出している日々に何の意味があるのだろう、という疑問の答えは後に就く職業によって明かされる。
美容学生、営業マンを経て2008年にバンド、MOROHAを結成しラップを担当。
野球部時代に身につけた、でかい声が出るという特技が思わぬ強みに。
かつて先輩同士の殴り合いを止める為に全裸になったことがある。
「おれ、ケンカやめるまでは服を着ませんよ!」
と空高く響いたそのフレーズは、仲間内で不朽の名言として語り継がれている。
営業マン時代には
「わたくし、こういうものです」
と前日に貰ったキャバ嬢の名刺を間違ってお客さんへと差し出し
「珍しい名前ですね…」
という最低の走り出しから、契約までこぎ着けた類稀なるガッツの持ち主。
好きな口説き文句は「あなたの本棚を見たいと思ってしまいました」。
2024年、MOROHA活動休止、無職に。
しかしこの度、渾身のエッセイ本の出版に活路を望む。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2024年MOROHA活動休止し、無職になったアフロさんのエッセイ集。信濃毎日新聞に連載しているエッセイから厳選したものと、書き下ろし。
いや〜笑った。まずアフロさんのプロフィールが面白すぎるのでぜひ読んでほしい。ただの情報じゃなくちゃんと笑わせにきてる笑
エッセイも面白い話がたくさんなのだけれど、読み進めるにつれてアフロさんの人となりがめちゃくちゃ伝わってきて「東京失格」のタイトルが腑に落ちる。純粋に心の底から「芸能人に会えて嬉しい!」とはしゃいでる姿を垣間見せてくれて、そんな瞬間が心にありがならも隠したい気持ちになる自分が恥ずかしくなったりした。言えるってすごい。
盲腸で入院した先の病院で他の患者さんと仲良くなったり、自分のラップを「大きな声出しているだけ」と評したり、リアルであることにこだわり過ぎてドキュメンタリーを撮られるのに葛藤したり。格好良いミュージシャンであろうとすればできるのに、その自分を捨ててでも伝えてくれる、笑わせてくれる、アツくならせてくれる。サービス精神って言えばそうなんだろうけれど、そのレベルが尋常じゃない。
のどかな長野の田舎から上京したピュアな心のまま、東京での暮らしや仕事をありのまま綴ってくれていた。