あらすじ
灰色の山巓、裸の曠野、ヨーロッパの辺境スペイン――そこでは歴史も裸で立っている。この国の過酷な歴史と巨人ゴヤへの半生にわたる関心と数多くの旅から生まれた独自の歴史眼が、現代の深間を照射し、ひるがえって虚ろな現代日本文明を撃つ。「ゴヤから定家に至る、人間の始末のつけがたい宿命に始末をつけようとする作家の作業のモチーフの切実さを決定的に跡付ける」好エッセイ集。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
単行本は1979年刊。77年~79年に雑誌や新聞に載せたエッセイ、19篇を収める。舞台はもちろんスペイン。
5年かかった『ゴヤ』の執筆を終えたら、アラ還。思い切って、憧れのスペイン生活に突入した。驚くのは、その文章の若々しさ。『ゴヤ』で燃え尽きてしまったのかと思いきや、不死鳥のように蘇った。
75年のフランコの死去以降、スペインがどうなったのかも書いている。シリアスな話題も、どこかに笑いがある。なかでも傑作は「ゴヤの墓」。ゴヤの遺骨やお墓のことなのに、不謹慎ながら、読むほうは爆笑してしまう。「グラナダの夏」「ゴヤと怪物」「フランコ、頑張れ」「いわゆる王侯貴族なるものについて」も同様。傑作揃い。
冒頭は『月刊PLAYBOY』に載ったロングインタビュー「なぜゴヤか?」 インタビュアーの誘導し過ぎに、ちょっと鼻白む。堀田の「あとがき」には、「3日がかりで責めつけられた」とあった。