【感想・ネタバレ】ふうふ写真散歩のレビュー

あらすじ

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夫は〝幸せ〟が何か知っている人だった――。
たった「1枚の写真」に16万人が涙したSNS話題沸騰の「ある夫婦の20年」感動の物語がフォトエッセイに。

「写真好き」が縁で、結婚式も指輪もないまま〝0日婚〟。以来20年、東京~島根で夫婦ふたりで〝ライカ〟片手に撮り続けた、つつましくもあたたかな日々。
だが――たしかにあったはずの日常は、ある日突然、消えてしまった。妻に残されたのは1台のライカと数万カットにおよぶ写真……。

夫婦ってなんだろう。
家族ってなんだろう。
幸せって――。
カメラが紡いだ夫婦の記録と記憶、感動の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

彼と行った旅行先の書店にて、
この表紙を見た瞬間、なんて暖かい写真なんだろうとつい足を止めた。
なかをペラペラ見て、これは大切な本に読みたいと思った、直感で。
そして、こんな風に好きな人を残して、私も残して欲しいと思ったから。

私は撮るのは好きだけど撮られるのは苦手。そこに映る私を好きになれなくて…とはいえ自分の今を何にも残らないのは少し寂しい。いや、かなり。
私は実家のアルバムを見るのが好きだった。お母さんは写真好きでいつも家族や親戚、友人を写真に撮って現像して、時系列になるようにしっかりとアルバムにしてるタイプだった。
そこには私が生まれる前なのになんでか懐かしくなるような空気があった。温かさがあった。
もちろん「うつくしい」写真ばかりではない。ダサい服、ごちゃごちゃな部屋、きまってない顔、色々。
でもそれでいい、それがよかった。
写真は自分が見たい「うつくしさ」を残すんじゃなくて、ただそこに、「いま」を残しておけばいい、そうお母さんに教えられた気がした、写真を通して。

なのにスマホで写真を撮るようになって、データでしか管理しないようになって、「うつくしさ」がないものは簡単に消してしまう。
容量がないから、を理由に。
簡単に補正ができるようになってどんどん自然からも離れていっている。社会人になったら写真を撮ることもどこか恥ずかしさがあって、防犯のための大きなシャッター音に嫌気もさす。

だからこそ、今の私にとってこの一冊は素通りできなかった。

家に持ち帰って最後まで読んだ。
まさか、と涙がポロポロでた。
写真に映るものはいつまで経っても「いま」を生きてるから、温かさがある。
小池さんがずっとその温かさを握っていれますように。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 書評ではなく、書評欄の下の広告で見て手に取ってみた。

”夫婦ふたりで”ライカ”片手に撮り続けた つつましくもあたたかな日々”

 奥様の小池紀子さんによるフォトエッセイだ。
 文章と、写真のラインナップが良い。2000年以降の東京の風景だが、フィルムライカで撮ったからなのか、あるいはモノクロの現像だからか、どこかレトロな懐かしさがある。渋谷も、まだ東横線が地上にあったころの風景が、もう昭和の遠い昔のように写る。

 写真家だった夫の影響で始めたカメラ。撮った写真に特にアドバイスされることなく、「いいねぇ」「おっ、すごい」と感想をもらうだけだったそうだが、門前の小僧なんとやらだろうか、紀子さんの写真も味わいを深めていく。
 どちらがどちらの作品とは明記されていないけど、とある理由で、終盤は紀子さんの写真だけだろう。それが、なんとも寂寞感をまとっていてよかった。

「写真に時間はないんだ」
「写真で自分を残す」

 そこには、ステキな夫婦の姿と、ふたりの時間が残されている。

 カメラ、写真が紡いだ、夫婦の日々だが、やはり、これはライカによるものという気がしないでもない。
「ライカⅠ」が発売されてからのブランド名だが、ついに100年。この歴史は伊達じゃないと思わされる。

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2025年06月28日

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