あらすじ
あの日の朝、僕は目が覚めたら目が見えなくなっていた。36歳にして視力を失った著者による、まるで小説のような自伝エッセイ。――視力を失った僕は今、青く澄んだ闇の中に生きている。見えていたころには見えなかった、目には見えない大切なものが見えてきた。声を出して泣ききることも、人に頼って助けを求めることも、難しいことではなかったんだ。僕は生きることがずっと楽になった。――ジェーン・スー(コラムニスト)推薦。
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Posted by ブクログ
突然失明されるという出来事を通して経験してこられたことが、誠実な美しい言葉で綴られていて、心打たれる一冊でした。
静かに広がる深い絶望と、ほのあたたかく広がってゆくあたたかな光。
今を感じること。感じ続けること。
生きているから痛みを感じるということ。
読めて、とてもよかったと思えた本でした。
Posted by ブクログ
朝日新聞のコラム「折々のことば」に掲載されていた本書の一節がとても素敵で、手に取った本。いかに自分を解放できるか、世界の見え方や人生が変わることを、視力を失った作者の体験談から学ぶことができた。
ポジティブに、笑顔で、前向きに。そう心がけてはいるけれど、私はこの作者のように、自分から壁を取り払うことができているだろうか。できない、と思うことを、もっとやりたい、に変換できているだろうか。もっと自分を解放できると、楽しいことが舞い込んでくるかも知れない。
Posted by ブクログ
一夜にして視力を失うなんてことがあるんだな、なんだかドラマになりそうな話だ、なんて失礼なことを考えてしまったが、その位自分の人生も、まわりの家族の人生も、ぐらぐら揺れ動く出来事だろう。
ユーモアに富んだ語り口で、爽やかな印象の文章。その中に、間違いなく辛かった気持ちがあるのだけれど、それを受け入れてからの立ち直りはあっぱれ。周りの方々に恵まれていたのと、この方のそれまで学んで身につけてきたものがこういう時に総動員されるんだよなぁ、と思う。
命があって、気持ちさえしっかり前を向くことができれば、明るい方へ進んでいくことはできる。今までの経験と、持ち前のユーモアに、目が見えないという強力な武器を携えて、この人は人生を楽しんでいくのだろう。
Posted by ブクログ
明日の朝、目が見えなくなるとしたら最後に何を見たい?
私自身も同じような経験をしたので、冒頭から退院する辺りまでの話は様々なことを思い出して読むのが辛かった。
何年経っても踏み出せないことに目を向けさせて貰った気がします。
ご夫婦揃って精神力の強さがあって、またそれを強固にしているのが周囲の方々なのかな、と。
そんな中でも、個人的には著者の奥様が彼の前で泣いたことは何故だか救われた思いです。
『あなたが願うのならば、 再びあなたの目を見えるようにしてあげましょう。』
私は悪魔だろうと飛び付いちゃうけれど、そこで考えられる人だからこそこういう本が書けるのだろうな~
Posted by ブクログ
これはすごいな。ここまでポジティブになれるとは、私の希望。小さなことに愚痴っている場合ではない、楽しんでいこうと思う。筆者の言葉のセンスが素晴らしい。
Posted by ブクログ
ある朝起きたら目が見えなくなっていた。
それを受け止めざるを得ない理不尽さ。
それを乗り越えた彼の逞しさ。
そんな彼と一緒に生きてる愛すべき人たち
いろんな点でお手本にしたい。
後日、石井健介氏本人にお会いした
実に明るく気さくな人
こちらが救われる感じ
Posted by ブクログ
当時30代半ばで妻子持ちの筆者が、ある日突然視力を失い絶望の淵に立たされたものの、視覚障害と向き合い、自分にできること、自分にしかできないことを見つけながら社会で輝いていく様子を書いた自伝的著書。
自宅での家事から始まり、外出、ボランティア、映画のアドバイザーからラジオパーソナリティまで活躍の場を広げていく経緯に感動する。
視覚障害だからこそ見えてくる世界があることを知ること、外出など不得意なことは堂々と人に頼ること、視覚障害でもできることや視覚障害だからできることを探していくなど、人生を前向きに生きるヒントが詰まっている。
今後困難にぶつかった時などに、この本に書かれていたことを思い出したい。