【感想・ネタバレ】凍りのくじらのレビュー

あらすじ

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

殴り書き感想
・辻村さんは『傲慢と善良』を読んだ時にも感じたが、人間の弱さ、ダメなところを的確に表現されるな…と思う。毎度古傷をチクチクと刺激される気分になる。
・各章ドラえもんのひみつ道具を軸にストーリーが進んでいく。ドラえもんへの造詣が少し深まったし、ドラえもんを特別好きでなかった自分もスイスイ読み進められた。
・母と理帆子、郁也と松永など、色々な親子関係が描かれているが、本当にリアルで、自信の親子関係についても考えさせられた。
・カワイソメダルをぶら下げてしまわないように気をつけたい。若尾ほどのどうしようもなさではなくとも、紙一重の状態には誰でも陥ってしまいそうな気がする。

・三匹のくじらがいつかまた、深い氷の底でまた出会える日が来ることを願う。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく良い作品に出会えた。
やはり辻村さんの作品は好きだなぁ。
人の抱える孤独、その孤独を癒すことができるのはやはり人なんだなと思う。

一点、分からないと思ってしまうのは、りほこの母親の描き方。

小学生で父親を亡くし(しかもトラウマを残す形で)、母親ともうまくいかない少女の孤独は、ここまで刹那的な生き方をしてしまうのか。
東横キッズなど、現代の子どもたちが抱える親との関係を巡る課題を見ていれば、現代の子どもたちの心情をよく捉えているし、そういう意味でもすごい作品だなと思う。

ただ、解せないと感じてしまうのは、りほこの母親の聡明さと、そんな女性を選んだ父親の愛を感じるのに、それに気付けず孤独に陥ってしまうりほこ。

もちろん、最後には愛に気付き、孤独から光が照らされる。
けど、あれだけ聡明な母親なら、もっと愛をうまく伝えられたはずではないかなと思ってしまう。

それでも、噛み合わないのが、親の愛情と思春期の娘の関係性なのかもしれないけど、やっぱりそこは悲しいなと思ってしまう。

私の感覚では、そういう意味で、りほこが孤独を感じてしまう思考には少し違和感も感じてしまうのだが、それと同時にリアリティも感じてしまうそんな作品だった。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄いはなしを読んでしまった。
後半はボロボロ泣いてた。

とりあえず、お父さんが好きすぎる。
とても素敵な人だったんだろうな。
タイムマシンだったのかな?

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2025年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

プロローグで語られた、「その光を私は浴びたことがある」という言葉は、抽象的な表現だと思ったが、決してそうではなくそのままの意味だった。それが分かるのは、本当に最後の最後でありながら、冒頭のその言葉がそのシーンまで記憶に残されていたのは、たまたまではなかったと思う。何気ない言葉のようで、知らず知らずのうちにこころに引っ掛らせる力があったのだろう。

主人公がつらつらと語るシーンは、良くも悪くも、頭の良さが垣間見れた。人を見下すというのは、どう考えても良くない部分ではあるけれど、特別なものではない。みんな口には出さなくても、自分より下の相手を見つけて、人のダメな部分を心の奥底で馬鹿にすることで、安心感を得ている。里帆子や若尾だけではない。ただ若尾が違うのは、それを表に出してしまうということで、結局彼は救いようがなかった。

里帆子の母のことは、あまり好きになれなかった。それでも写真集の最後のラブレターには、心を揺さぶられた。それまであまり夫への愛を感じられなかって分、余計に。

プロローグでの、写真の「彼」というのは別所のことだろうと当然のように思っていた。どういう経緯でそうなるのだろうと思っていた。そんな陳腐な予想が裏切られた瞬間は、あまりに感動的で、どこか切なかった。里帆子があの父を引き止めなかったことから来た後悔は、一種の呪縛のようだったが、それから解き放たれたようにも感じられた。

憧れの人物、「藤子先生」へのあまりこ拘泥がそうさせてしまったのか、里帆子の父が選んだ道は、正解だとは思えない。ラブレターの一文、「迷惑をかけながら、妻や娘に嫌われながら、そうしてほしかった」という言葉に共感した。ただ最後の最後、彼は父親としての責任を果たしたと思う。

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2025年12月13日

ネタバレ 購入済み

大好きです!大切な本です!

凄い苦しくて、凄いキレイで、抱きしめるように愛してしまう物語です!!登場人物も全て素敵(若尾くんはダメすぎるけど、理帆子ちゃんがそれすらも愛するから、やはり尊い命に見えてしまう)

お母さんが編集した写真集の描写と、別所さん(お父さん)の最後のセリフ(最後の最後だけじゃなく、その一連のとこ)は、何度読んでも涙が出てきて熱くなります。

辻村さんの作品では、これと「ぼくのメジャースプーン」が私の中で殿堂入りです!

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2020年09月22日

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ネタバレ

これはミステリーなのか?と思いながら読み進めていたら、最後しっかりSF(少し・不思議)に着地。
お父さん、藤子先生のようでなくてもいいから、里帆子のそばにいてあげて欲しかったな。もしも彼自身が「テキオー灯」の光を浴びていたら、と考えてしまう。

追記
郁也くん、「ぼくのメジャースプーン」でふみちゃんがライバル視してたあの子か〜と思いながら、その後皆さんの感想読むと「名前探しの放課後」の松永くんでもあったとは。辻村ワールド奥深いな〜。「子どもたちは夜と遊ぶ」は未読なので今度読みたい。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

序盤はなかなか読みが進まず。重たい話。
自分の母親も父親も癌に侵されて。小学生〜高校生の時分にそんな状況、賢い?性分の主人公、そうならざるを得なかったのかも。

私は、あんまり主人公を応援できなかった。
お母さんが残してくれた写真集には涙したものの…
別所さんがお父さんって気づかないかなー。気づけないか…気づけないほど、理帆子は追い詰められてたのよね。うん。それなら納得?

スロウハイツに出てきた写真家が理帆子だったということに、ネットの人の解説で知る。スロウハイツ大好きなのに全然気づけなかった(泣)

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドラえもん大好きなので、作中の真剣な秘密道具議論はとても大変楽しかったです。
作者もドラえもんで育ったんだなとヒシヒシと伝わってきます。
章ごとに入るイラストと秘密道具の解説も味があってとても良い。
結末が思いの外SF(少し・不思議)に着地して少し意外でもありました。
薄々感じていたこれはどう読むんだ? で答え合わせが出来た気持ちです。

序盤のSF当て嵌めはしつこすぎて食傷でした。
語る必要もないと言えばそうなのですが、若尾とその関係性の決着は描かれないんだなーとか。
映画館で見ても何度見ても途中で飽きてしまっていた、辻村さん脚本の『ドラえもんのび太月面探査記』改めて見てみようかなとか思いました。

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2025年12月21日

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ネタバレ

不思議な空気感をまといながら進んでいく中、ドラえもんの話を使って描写されていくのが面白い。
周りの人物とともに起きるトラブルという風を受けて、理帆子が成長していく様が素敵。
お母さんのお父さんに向けたラブレターは泣いた。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第8章あたりまできた。
職業柄、
「予後2年と言われてずっと普通の病院の個室に2年間入院し続け、徐々に弱ってついに昏睡状態に入っているのに数日もつことが想定される」癌患者さんってどんな癌なのだろう?
もっと早く試験外泊できただろうに。
と考えてしまい内容が入ってこなくなる。

最後まで読んだ。
若尾が何かしでかしそうな雰囲気はずっとあったのに、「最期」はわりとあっけないし、2階から飛び降りたくらいで死ねなかった…はすごく寒くて、
若尾らしかった。

郁也の捜索もすんなり終わり、
あきらの正体に気づく描写もあっけない。
ドラえもんが軸に描かれていて、
なおかつ別所あきらの存在があるのなら、
もっと奇跡が起こってもよかったのになぁ、
と思うが、きっとそこはこの後の辻村作品で
より洗練されていく部分なのかもしれない。
「傲慢と善良」や「かがみの孤城」のような作品を
期待して辻村深月作品を遡るのはよくないことと
思いつつも、やはり期待してしまう。



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2026年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドラえもんの物語を見返したくなります。最初は凍り漬けにされた海に閉じ込められたくじらの様な、息苦しさを感じる「少し・不穏」な物語だと思っていました。理帆子の表面上は上手く接していても心の中でどこか他者を見下す態度や、元彼若尾のプライドだけが高くて中身が全く伴っていない行動に、作者の人間のドロっとした部分を描き出す上手さを感じます。でも最後まで読むと、父の幻影が息苦しさを感じていた理帆子を救ってくれる奇跡に、やっぱりこの物語は「少し・不思議」な物語と表現するのが一番しっくりくるなと思い直しました。

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2025年12月22日

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