【感想・ネタバレ】新聞が語る中国の97%は嘘である (Hanada新書 008)のレビュー

あらすじ

産経新聞元中国特派員の告白!!
「マスコミのフィルターを通した中国は全くの虚像である!!」

いま中国で起こっている狂気の事件!!
●李克強の死が混乱期の幕開けを告げる!
●強権社会の日常生活、そして高官たちのセックス事情
●中国高官に弄ばれた女性アスリートの反撃
●いまだに存在する売られた花嫁と生殖奴隷
●ウクライナ戦争に取り残された中国人留学生の苦闘
●恐怖......銀行の預金が突然消える!
●「白紙革命」女子学生の秘密逮捕
●未成年失踪事件の背後にある闇
●大洪水は習近平の人災だ!
●アシックス、ユニクロ、無印良品への残酷な踏み絵
●英雄から悪鬼に転落──アリババ創業者の悲劇
●使い捨てられる人民解放軍の兵士たち
●「一帯一路」が海外で見せる地獄絵図
●天才が起こした殺人──中国の学者事情
●14歳の金メダリストの残酷

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Posted by ブクログ

本書が突きつける最大の問いは、中国そのものよりも、**「私たちは何を見せられてきたのか」**という点にある。日本の主要メディアが描いてきた中国像と、本書で描かれる現実との落差は、もはや認識のズレという言葉では片付けられない。

女子テニス選手による#MeToo告発が、党中央中枢の権力闘争に飲み込まれた事実。不逮捕特権を持つ政治局常務委員、人身売買や生殖奴隷として消えていく年間100万人の失踪者。ゼロコロナ政策下での隔離、略奪、官僚家庭優先の露骨な差別――。
これらは「人権問題」として断片的に報じられることはあっても、全体主義国家の日常として体系的に語られることは、ほとんどなかった。

なぜ日本の新聞やテレビは、ここまで中国の現実を過小評価してきたのか。本書を読むと、その理由が透けて見える。
・現地特派員の活動制限
・中国政府との関係悪化を恐れる自己検閲
・「経済大国・中国」という成功物語への依存
・日中関係を刺激したくないという空気

こうした要因が重なり、マスコミは「語れない現実」を自ら切り捨ててきた。その結果、日本の読者は、中国を「問題はあるが発展を続ける国」「いずれ民主化に向かう国」と誤認させられてきたのではないか。

しかし本書が描くのは、まったく別の中国だ。
国家は国民を守らず、管理し、選別し、切り捨てる。預金者は健康コードで封じ込められ、戦火にある自国民は放置される。経済の失敗は起業家や外国人を「スパイ」に仕立てて隠蔽される。これは一時的な政策ミスではなく、習近平体制が行き着いた構造的帰結である。

それでも、本書が単なる絶望の告発に終わらない点は重要だ。白紙革命や煙花革命は、検閲国家において「沈黙そのものが言論になる」ことを示した。ゼロコロナ政策が民衆の抗議によって実際に転換された事実は、中国社会が完全に死んでいない証拠でもある。
マスコミが「一部の若者の不満」「局地的な騒動」と矮小化してきたこれらの動きは、むしろ体制の深い亀裂を示す兆候だった。

若者の就職難、結婚・出産の拒否、非婚による体制への静かな抵抗。「俺が一族最後の一代だ」という言葉に込められた絶望は、同時に体制への拒否宣言でもある。こうした声は、日本の新聞紙面ではほとんど聞こえてこなかった。

香港や新疆ウイグルの章は、とりわけ日本のマスコミの責任を考えさせる。
「一国二制度50年保証」という国際的約束が破壊された事実、言論の士が見せしめ的に収監されていく現実は、民主主義国家のメディアであれば、もっと継続的に、執拗に報じるべきテーマだったはずだ。それが次第にフェードアウトしていったこと自体が、自由社会の弱さを示している。

中国の民主化に期待するとは、楽観的な未来予測を描くことではない。
むしろ、強権の現実を直視し、それを曖昧にぼかしてきたマスコミの姿勢を問い直すことからしか始まらない。本書は、中国社会の闇だけでなく、日本の報道空間の歪みをも照らし出す。

白紙革命が示したように、自由への欲求は完全には消せない。同様に、真実を知ろうとする読者の目も、いずれマスコミの沈黙を許さなくなるだろう。
中国の民主化への希望は、中国社会の内部にだけでなく、それを正確に伝えようとする側の覚悟にもかかっている。本書は、その両方に厳しい問いを投げかける一冊である。

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

明日の日本、台湾にならないことを祈ります!
『独裁』てホントなんなんやろなぁ。
一般ピーポーでは判り得ないけど、c国の首脳の考えって全く理解できん!

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2025年10月13日

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