【感想・ネタバレ】経営を見る眼 日々の仕事の意味を知るための経営入門のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

あたりまえのことを妨げていることにその企業の経営の問題の本質がある。自分の日々の悩みと同じ。経営は人間の総合判断力の幅と深さを鍛える絶好の知的営為である。キツイけれど、それを胸に楽しまなければ…

また、人は性善なれども弱し、そんな自分がリーダーとして信頼される為に、人間くさい配慮だけは忘れないようにしよう。

0
2023年12月10日

Posted by ブクログ

経営について、わかりやすい文章で、地に足の着いた説明で解説している。読みやすい本だが、一語一語に重要な意味が含まれていて、学びが非常に多かった。

経営とは、企業とは、リーダーとは、戦略とは、、、どのような見方で見るかが解説されている。

自分の欠けていた視線が何かがわかる事で、今後の判断の広く深くなる。

手元に置いて、見返しながら仕事に生かしたい。

0
2020年10月04日

Posted by ブクログ

組織人は、意図する・せざるに関わらず、日々の仕事の中で何らかの形で「経営」に参加している。その「経営」を、どのような切り口で見て、どのように考えたらよいのかを平易な言葉で説いた名著である。
特に見せる人には見え、見えない人には見えない「見えざる資産」が戦略の優越の大きな原因になる、という部分は必見である。「見えざる資産」が自覚できるか、できないか。そこに鍵があるような気がする。

0
2016年06月02日

Posted by ブクログ

経営とは何かをてっとり早く大づかみで知りたいときに最初におすすめしたいのがこれです。とても読みやすくタメになります。 和田

0
2016年01月20日

Posted by ブクログ

経営というものの本質が実に分かりやすく書かれている。「なるほど」と思うことばかり。この手の本では珍しく夢中になって読んでいる。

0
2014年07月03日

Posted by ブクログ

とってもいい本。経営を考えるうえで、本当に教科書的な
本。会社員としては大げさに言うと絶対に読んだほうがいいと
思うような本です。特にマネージャー層の人たちは
何度も読み返してもいいと思います。

この本に書かれてあることで身近なリーダー層・マネージャー層
経営層に対しての感想がいろいろ書けそうですが。
そういうことは書かないで心の中に納めておこうと思います。
でも自分も含めて『これじゃーだめでしょ』と思うこと多々

0
2013年10月08日

Posted by ブクログ

経営の入門書として非常に優秀な本。
概念や仕組みを解説した本は数あれど、その裏にある意図をきちんと説明してくれており、本当に「考え方」「視点」を提供してくれる内容だった。

経済組織体と職場共同体という会社の二面性
付加価値と利益の違い
人を動かす要因
逆向きのリーダーシップ
経営の落とし穴
などが個人的に参考になった。

概念の本質を抑えているからこそ、単なる解説ではなく、会社法や株式会社制度の持つ視点が限定されているという指摘や、陥りがちな落とし穴の言及が可能なのだと思う。
しばらくたった頃に何度か読み返したい。

0
2012年09月18日

Posted by ブクログ

尊敬する伊丹先生の一冊。
非常に分かりやすく、経営学の「け」の字も分からない
高校生が読んでも非常に面白く、かつ分かりやすかった。
経営学という分野に関心がわいた私にとって
歴史的な一冊だった。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

「会社の仕組み」とあわせて読みたい本。
特に、経営学の初学者におすすめ。
浅く広くトピックを網羅しているので、この本をきっかけに、詳細な本を読むとよいと思います。
伊丹さんが書いている専門書のエッセンスが詰まっているので、この本からそれぞれの本に進んでいくのもよいと思います。
(はっせー)

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経営とは何か?について総括的に解説した本。個からはじまってリーダーシップ、会社全体と徐々に視点高度をあげて解説している。総括的に知るには良書。


・会社の側から見れば、マネジメントの一つの本質は富と情報と権力と名誉の適切な分配にある、と言ってもいいだろう。それを分配される個人の側から見れば、会社は彼らの人生にとって大切なこれら四つのものの分配を決めてしまう存在なのである。

・契約社員は会社にとって、銀行借り入れと似ている。満期が来たら関係がいったん終わること、そして更新があり得ることを事前に想定している点が似ているのである。その点、正社員は株主と似ていなくも無い。

・(人の)流動性が高いということは組織というチームを安定的に組めないということを意味する。メンバーが流動的に替わるからである。それでは、ノウハウの蓄積やチームスピリットの醸成などに、マイナスであろう。そして、いずれ放り出されると働く人が思えば、企業へのコミットメントは小さくなり、カネをもらった分だけ働くという態度になるであろう。それでは、企業としての発展に必要な知恵やエネルギーを従業員が出してくれなくなる。

・リストラが必要な状況になってしまった責任は働く人々にはないのがふつうである。したがって経営者は3つのことをやらなければならないだろう。1.経営者による陳謝と感謝、2.去る人々への「過分なほどの」補償、3.会社に残る人々も賃下げや厳しい人事制度改革などで痛みを分かち合うこと。

・(株式の)売買差益というリターンの面白いところは、リターンを株主に与えているのが、新しく株主になる人だ、ということである。

・「利益とは社会から頂いているお布施だ」という考え方が花王では伝統的にある。利益が社会へのお役立ち料であり、社会からのお布施であると考えれば、赤字を出すということは社会に対してお役に立っていないということを意味する。つまり、赤字はその意味で社会的な罪悪なのである。

・リーダーのあり方を考える上で、教育と経営の類似性を考えることの意義は大きい。名経営者は必ず名教育者だ、と思うからである。なぜか。もちろん、人を育てることが経営者として重要だという意味で経営と教育は関係が深いのだが、それよりも本質的に、教育するということの要諦と経営するということの要諦が同じなのである。したがって、経営者あるいはリーダーはあたかも教育者のようにものを考えると、経営がうまくいく、ということになる。経営とは、他人を通して事をなすことだと再三述べている。他人が仕事をしてくれるのである。つまり、他人が「自ら事を行うように仕向ける」のが、経営なのである。それは、教育の本質と同じである。教育のプロセスがうまくいくとは、学ぶ本人が自ら学ぶことがうまくいくことである。教育の本質は自学であり、自育なのである。

・The mediocre teacher tells. The good teacher explains. The superior teacher demonstrates. The great teacher inspires. 凡庸な教師は、命令する。いい教師は、説明する。優れた教師は、範となる。偉大な教師は、心に火をつける。(アメリカの教育者ウィリアム・ウォードの言葉)

・リーダーになってはいけない人。1.私心が強い、2.人の心の襞がわからない、3.責任を回避する。

・リーダーの内への仕事のうち一番中心になるプロセスマネジメントについて、リーダーとしての基本行動は何だろうか。それは、部下たちを「刺激すること」と「束ねること」である。束ねとしてもっとも大切なのは「方向性を説得的に示す」ということであろう。リーダーが示した方向性に向かって、多くの人が努力すれば、それが自然に束ねになっている。ここでは出される方向性の納得性とリーダーの説得能力がカギとなる。

・最近、考えられないミスが現場で起こるという話をよく聞く。直接の原因は合理化しすぎて現場をぶらぶらと見回って何くれとなく細かいところに気をつけている年配者がいなくなったことだそうだ。それは結局、マネジメントする側の立場の人間に現場の想像力が足らなくなったから起きた現象なのではないか。そういう一見ヒマに見える役回りの人がいないと、現場で細かな刺激と束ねが少なくなってしまうのではないか、という想像力である。

・任して任さず、という一見、矛盾するような言葉がある。松下幸之助さんが好んだ言葉の一つだそうだ。リーダーが自分でやるべきことと他人に任せるべきことの間の線引きの微妙な消息を伝える言葉である。

・上司のマネジメントをきちんとできるリーダーに、部下は信頼してついてくる。1つには、上司のマネジメントの状況が、そのリーダーの人格の表れる、一種の正念場だからである。上司に言うべきことをきちんと言えるかどうか、たんなるゴマスリでないことをしているかどうか。その人の人格が表れる。その人格が、リーダーの背中を通して、部下にはわかるのである。もう1つの理由は、リーダーがきちんと自己をもち、自分の組織内の立ち位置とチームの進むべき方向性について深い理解や核心をもっていないと、上司のマネジメントはできないからである。上司を説得するにせよ、誤りを正すにせよ、それは何かの基準に照らしているはずのことである。その基準がない人には、上司に従うことはできても、上司のマネジメントなどできないであろう。

・(企業戦略と事業戦略の)2つの戦略は、その内容やカギがかなり違う。企業戦略は事業間の資源配分がカギ、事業戦略は市場対応行動のプランがカギとなる。だから、事業戦略をただ集めれば企業戦略になるわけではない。しかし、そんな現実例が多すぎる。それは、事業責任者をやれる人は案外いるけれど社長が務まる人が少ない、という経営陣の人材的偏りとつながっている。

・人間はやっかいなものである。現実を知りすぎれば、拘泥する。しかし、現実を知らなさすぎれば、実行可能な戦略はできない。そのバランスをどう取るか。戦略の大きな設計図はトップの責任でつくり、その詳細設計は現場に任せる。基本的にはこれしかない。

・競争優位の戦略は、しばしば戦略の焦点(たとえばターゲット市場)の絞り込みと資源の集中を必要とする。絞り込んで、その狭いところに資源を集中するから、その集中のおかげで集中の結果で生み出される武器が有効となり、差別化が可能となるのである。「一兎を徹底して追うものは結果的に二兎を得る」というのが、多くの成功した戦略のパターンになっている。

・差別化の武器をきちんとつくる必要がある、と書くと誰しも納得する。では、差別化の武器を挙げてくれと多くの企業の方に問いかけてみると、最初は、自分たちはこれだけのことが「できる」というものが武器として挙がってくる。しかし、本当に競争相手と明らかに差があるものは何か、と突き詰めて問いかけると、あまり多くの武器が残らないことがしばしばである。「できる」と「優位」は違うのである。なぜその違いに気がつきにくいかを考えると、3つの理由がありそうだ。1.「明らかな」差がなければ、顧客の目を大きく自社の方へ向けることはできないということを忘れがちである、2.優位かどうかの最終判断者が顧客であることを、つい忘れている、3.競争優位を考えるあまりに競争相手の動きにばかり注意を払い、肝心の顧客のことを忘れてしまうことである。

・顧客を終着点とするとは、本当に顧客が製品を使う時点が最後の審判のときであるということである。吉野家の例で言えば、顧客が牛丼を口に入れるその時点である。顧客が実際に食べる時点で、うまい、安い、早い、と感じてもらわなければ、差別化の意図は実現できていない。吉野家がそういうキャッチフレーズをつくれれば、顧客がそう思ってくれるわけではない。吉野家の意図を実現できるように実際の仕事がきちんとなされなければならない。そのための仕事の仕組みの基本設計図が、ビジネスシステムである。

・ビジネスシステムの設計とは、基本的には次の3つの事柄の決定である。1.どんな業務を自分が行うか、何を他人に任せるか(他者との分業のあり方)、2.自分で行うことを、どのように行うか(企業内の仕事の細かな仕組みシステム)、3.他人に任せることを、どうコントロールするか(分業した業務のコントロール)

・戦略のカギを考える際に大切なのは、見えざる資産である。それは、技術、ノウハウ、信用、ブランド、システム力、などさまざまな目に見えない資産である。見えざる資産が戦略の背後できわめて重要である理由は2つある。1つには、見えざる資産が競走上の優位性の真の源泉だからである。見えざる資産は、カネを出しておいそれと買うわけにはいかない。自分で育てる必要がある。そして、自分で蓄積するには時間と手間がかかるものが圧倒的に多い。その時間と手間の部分が、競争相手との差をつくる源になっている。第二の理由はそれが変化対応力の源泉だからである。変化とは、既存事業での競争条件や需要の変化もあるし、産業構造の変化もある。それらの変化へ対応して既存事業を革新しあるいは新事業を開拓していくために、見えざる資産が使われる。見えざる資産は、見える人には見えて、見えない人には見えない。だからやっかいなのだが、そのやっかいさが戦略の優劣の大きな原因の一つになっている。

・ケンカのさせ方が大切とは、組織構造を設計するときに、どんな構造をつくっても組織の内部にコンフリクト(対立)が発生することを覚悟したほうがよく、むしろどんなケンカのさせ方が建設的かを考えた方がいい、ということである。しばしば起きる誤りは、対立が生じないような構造を懸命に考えるという誤りである。しかしそれは間違いで、むしろ、必要な対立が表面化して、建設的な解決策への議論へと進むことを狙うほうがいい。(例えば、銀行の審査部門を、営業とは独立の本社機構の主要部門と位置づけるか、複数の営業部門それぞれに審査部門をもたせるか)建設的なコンフリクトの吹き出させ方とは、そのコンフリクトが吹き出して顕在化することによって、重要な問題の存在をきちんと多くの人に知らせるような吹き出させ方、あるいはそのコンフリクトを解消しようとして多くの人が前向きの努力をするようになる、そういった吹き出させ方である。

・組織構造は人を動かすためにある。しかし、人は組織構造の下で育つものである。

・影響行動とは、部下の行動がより適切になるように間接的に影響を与えたいという行動である。たとえば、インセンティブを与えて部下の行動を導く、目標設定を部下と行う、部下が目標の達成状況がわかるよう期中に業績情報を提供する、などがその例である。直接介入は文字通り介入で、任せることの一時的中断である。

・当たり前スタンダードは私の造語である。一時期グローバル・スタンダードという和製英語が流行ったことがある。韓国と日本でしか通用しない英語だと聞いた。その頃、グローバル・スタンダード流行に違和感を感じて、グローバル・スタンダードより当たり前スタンダードを守るべき、と言いたくなったのである。当たり前スタンダードとは、文字通り、誰が考えても当たり前の標準、という意味である。例えば、1.顧客の満足度を本当に考えた行動を組織のあちこちでする。2.若いエネルギーを大いに活用して、スピードある組織活力を保つ。3.社長は大きなビジョンを掲げて、しかし責任を取るべきときはきちんと取る。4.資本の効率をきちんと維持する。

・松下幸之助さんの言葉に、「経営者の仕事は大きな事を考えることと、小さな事に目を配ることだ」という言葉がある。細部に注目して経営を見るようにすると、案外ものが見えてくる理由は3つある。第一に「現場こそすべて」だからである。いくら社長が立派な理念をもっていても、実際の仕事をするのは現場の人々である。彼らの細かな行動がきちんとしていなければ、組織としての業績は長期的によくはならない。その現場は、細部である。その細部まで経営の意思がどう伝わり、どう実行されているか。それが、経営のよし悪しを最終的には決めるのである。第二に「一事が万事」だからである。現場の細部にその組織全体の傾向を象徴するようなことが表れることが多い。だから、一つの細部を見ることで、全体の様子の想像ができる。一事が万事とは、一つの現象が実は氷山の一角であることを意味し、また一つの行動がその直接の対象にだけでなく多面的な波及効果をもつということである。つまり、細部は全体の象徴なのである。第三の理由は、細部が「蟻の一穴」だからである。立派に見える堤防も、そこに蟻の穴が一つあると、そして「不運にも」その穴から水が漏れ始めると、堤防の決壊につながることがある。細部と見えることが、大事をもたらす小さな出発点になってしまう。だから、そうした小さな穴を早期発見、早期解決できるかどうかで、経営の成否はかなり決まる。経営を見るとき、そんな眼で細部をあえて見てみるといい。

・(経営の論理に関して)私は次の3つの論理が大切だと思っている。1.カネの論理(経済の論理)、2.情報の論理(みえざる資産の論理)、3.感情の論理(人間力学の論理) それは仕事をする人間が三面性を持っているから。カネを必要とし、カネのことを気にする経済的存在・物理的存在としてのヒト。情報をつかみ、学習し、他人に情報を伝える、情報的存在としてのヒト。そして、感情をもち、他人の動きや言葉に感情的に反応しあう、心理的存在としてのヒト。三つの面すべてを、一人の人間がもってしまっている。分かちがたい。したがって、どのような経営判断、経営のあり方の決定も、必ずカネ・情報・感情の三つの流れに影響を及ぼす。その影響を通して、現場の人々の行動が左右されてくる。だから、この三つの流れがどうなるかの論理が、経営を考える際の三つの基本論理となる。

0
2014年10月14日

Posted by ブクログ

伊丹教授からの学び。
「ケンカのさせ方」、「ついついの甘えと錯覚」(6割で優良企業)等は改めて参考になった。

0
2016年01月12日

Posted by ブクログ

東京は丸の内の丸善で買った本。
見かけた時、シンプルな装丁に惹かれて手にとった、と思う。
その時は、外資系企業出身の著者の本が世の中に溢れていた。
有名企業ならではのノウハウや、マインドとかを、
凝った装丁や見た目で仕上げた本が多かった。そんなふうな、
つい目がいくような本が多い中で、この本を見つけた。

内容はというと、上述のような本とは違い、
地道を王道として、地に足の着いた経営を説く本だと思っている。
妙な新語や造語や言い回しはなく、かといって、
煙に巻くような抽象的な内容でもなかったと思う。

この本の内容や目的というのは、
「自分が会社で働いている」という物事を、
あらためて分解して、それぞれを改めて見直していくことだと思う。

それらを細かく文章にすると、
 自分という人間が、社会という領域にある、会社という場や
 会社での組織という人間同士の集まりに所属して、
 仕事という物事を果たし続けている。

という文章になると思う。これをさらに細分化し、箇条書きにすると

 まず、自分という人間とは何か?
 自分や会社をとりまく社会とは何か? 社会における会社とは何か?
 その会社という組織で、さらに細分化される部門や職場とは何か?
 そこで自分の行う仕事とは何か? 組織に立ち戻ってみての仕事とは?
 組織を動かすリーダーとは? その性格やリーダーシップとは?
 社会を全部として、その一部であり、組織の集まりである会社とは?
 社会における一部分として、どう仕事をするのか?
 お互いに与え合う影響とは何か? そこでの戦略は?

というようなことを、章に分けて書いてある本だと思う。
もちろん、読み手によっては、違う意味合いがあるので
私にとっては、以上の事柄を勉強させてもらった、と思っている。

タイトルである、経営を見る目、というのは良いタイトルだと思う。
経営というものを、どうやって見ていけば良いのかを、
会社の中のあらゆる視点から見渡しているからだ。

そして、経営をうまくやっていく、ということのノウハウにも
触れていると思う。うまくやっていくためには、まずこういう立場があるので
その立場に立った場合、こういう方法がある、ということを学んだと思う。

私がこの本をおすすめするなら、初めての部下を受け持った人や
会社で働くことの意味や価値が、いまいち分からない人におすすめしたい。
経営の入門書ではあるものの、会社で働くことに、
多少の経験がないと、この本にはしっくりこないと思う。

実際、私も本書の内容にある、株主や競争戦略については
実務でも経験でも疎く、いまいち理解できなかったし、今もできていない…。
となると、あれこれ経験してから読むのに適していて、耐える本でもあると思う。
流行っぽく廃れやすい本ではないと実感する。良い本に出会えた。

0
2013年11月19日

Posted by ブクログ

秋からの講習の講師の著。事前学習として取り組む。
戦略論からリーダー論まで、松下翁の考え方が基本となっているような印象。とても共感できた。「競合との比較優位性」と「顧客の心を引き寄せる度合い」という、2つの勝利というのは新しい概念であった。リーダー像と現状のギャップにはいたく反省

0
2012年08月05日

Posted by ブクログ

■戦略とは何か
「誰に何を売るか」「売るためのインプットとしてのコストをどれだけ減らせるか」についての設計図

設計図については、競合他社や市場も含めた上でどのように競争に勝っていくのか盛り込む

短期的な視点だけではなく、長期的な視点で考える
→競争相手がすぐに追いつける戦略ではずっと勝てない
将来なりたい姿のために短期的には捨てる部分があることを明確にしないと、実行する従業員も仕事に身が入らない

設計図には、何を武器にして競争に勝っていくのか(あるべき姿)
とそのためのシナリオを記載する

過去の延長線上の話は戦略ではない
ボトムアップで作る戦略は戦略ではない


■戦術とは何か
戦略を実行するための活動計画のこと

社長にとっては各事業部門の活動計画は戦術となるが、事業部長にとっては戦略となる

■戦略のレベル

1 企業戦略
社長から見た戦略のこと。各事業部門に対する資源配分や各事業の組み合わせがポイント

2 事業戦略
事業部門長から見た戦略のこと。競争相手との違いを作ることがポイント。

製品、価格、サービス(納期、アフターサービスなど)、ブランドで差を出すことが大切
→うまい、早い、安い、ブランド力が吉野家の牛丼部門の事業戦略

→全部100点でもどれか1つが0点では顧客にとってダメな場合もある
→どれに重点を置くかについては、時代の流れも読む必要がある
→本当に利益が出るかの仕組み作り(scm、生産管理など)は企業側が自分で用意する必要がある

インプットしては、会社の資源をどう配分するかが大切
1 競争相手が持っていないような資源を利用する
2 競争相手と似た資源を異なるパターンで配分する

そもそも、「棲み分け」という差別化もあるが、どちらにせよ資源配分を行うことが必要

1分野につぎ込んだ設備投資や得た技術、顧客が次の戦略に役立つことが成功パターン

競争相手や自社の武器を磨くことばかり見て、顧客の要望に目を向けないことが失敗パターン

0
2012年06月09日

Posted by ブクログ

経営学について読みやすくスゥッと入りやすい一冊。

たとえば、概念的な問いで、「なぜ会社で働くのか?」というと、
人は一人ではあまり大したことはできないことが多いから。

逆に言えば、人は人と協力して何かを成し得ることができる。
会社がその場を提供してくれているというわけです。

当たり前にあるものというミカタではなく、
その場所があることを、素直に、大切にしたいと思います。

人が一人で生きる場所はなく、もしも一人で生きていたら…と想像することもとても難しいことです。

そして、経営とは何か?

それは、人間の神経に該当する情報の流れ、人間の心に該当する感情の流れがうまく機能して、つまりそれがうまい経営であり、人間が健やかに活動できるというわけである。

もちろん、呼吸をして血液が流れて人間は生きている。
つまり、企業にとって血液はカネの流れに該当する。

こんな風に、経営をとらえると受け取りやすくなります。

そして、このように私たち人間の機能や活動を通して、
利益や理念、管理システム、組織作り、リーダーの在り方についてもつづられていて、
経営の大きな概念をとらえることができます。

健やかに楽しんで生きる企業とは?
そんな企業の在り方をとらえるヒントがあります。

0
2011年12月06日

Posted by ブクログ

おもしろかった。経営と一言でくくっても、その範疇にあるものは広くて深く、よくわからない。なので、まずどう考えてみたら、見てみたらよいのか参考になる。

0
2011年12月03日

Posted by ブクログ

社内自己啓発勉強会課題図書第2弾。マネジメントと、企業とは何をやっているところかという本質的なところを考える課題です。実際の経営者の方からは、批判の声もきいたりしますが、「場」の理論など実際に試してみるなどして、体感しました。捻じ曲がった基礎の修正に役立ちます。また、何のために企業で働くのか(働いているのか)わからなくなった時にも役に立つと思います。次の課題はついにドラッカー・・・

0
2011年07月15日

Posted by ブクログ

伊丹さんのMOT関連の書籍の印象がよかったので購入してみました。サブタイトルに「入門」とある通り、経営に関する幅広いテーマについて平易な言葉で説明されています。その分、物足りなさもあるかもしれません。

それでも内容には、単なる既存のマネジメント論や戦略論の引き写しだけでなく、少し背伸びをさせてみて成長を促す「オーバーエクステンション」や階層型のマネジメントと対比させた「場のマネジメント」など、独自な視点も展開されています。ドライなものだけでなく、ウェットな部分も大事にしているという印象を受けます。

「人は性善なれど弱し」

なるほど、そうかもしれないですね。

0
2009年12月26日

Posted by ブクログ

仕事を成功させるためのヒントが、沢山盛り込まれている本。最初は、平易な表現の一読ポイでOKの本という印象であったが、中身を見てみると、伊丹センセイのエッセンスがぎっしり詰まっている。お買い得。

0
2018年10月14日

Posted by ブクログ

大学の教科書を流し読みしてみた。
時々、面白いエピソードもあるにはあるが、第4部までは地味な経営の基礎知識の解説。第5部から本質に迫る内容になっている。第5部に関しては非常に読み応えのある内容になっていた。

「つまり、ほどよいバランスを常にとってスムーズな成長経路を企業がたどっていくことはほとんどない。企業は振り子のようにゆれ動くのがふつうである、揺れながら、成長していく。そして、ゆれ動きながら、企業は長期的なバランス、ダイナミックなバランスを取っている。
 もちろん、二つの極の間のバランスの取り方には、『つねに中庸を狙う』という方法もある。しかし、そのやり方には無理が多そうだ。バランスをつねに取り続けようとして、かえってエネルギーを失いかねない。(略)しかし、世の中には静態的にものを考えてしまう人が案外いる。それでは、目に見えないものは見えてこない。ゆれ動きの一こまだけを取り上げ、その揺れている方向へ際限なく振り子が行ってしまう危険を言い募る人である。ゆれ動きがもたらす、刺激とか揺らぎ効果がわかっていない。」

自分は中庸の徳とか、バランスをとることをかなり意識しているが、極端を味わうことで、理屈が分かって来た側面は否定できない。バランスをとることが、良いことであるという認識自体は著者の主張を聞いても変わらない。バランスをとるというか、実際に堅実な経営をしている企業はあると思う。しかし、安定にこだわりすぎると、何かが盲点になってしまう可能性はあるのかもしれない。ただ、「ダイナミックにバランスをとる経営」によっても、やはり失うものはあるはずだが…。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

企業とは何か、誰のものか、組織とは、組織の中で人々はなぜ働くのか、戦略とは、リーダーとは、組織・人を動かすには、事業システムとは。。。
この本を通して、今までもやっと考えていたものが、きれいにおなかに落ちました。

会社に属する事の意味、会社と向き合うのでなく、仕事を通して自分と向き合う自分軸があったうえで組織に属して、結果として一人で出来ない物事を達成して行くんだなあ。。。と

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

働くとは何か、企業とは何か、リーダーのあり方、経営のあり方など、経営する視点に立って物事を考えることができる。


この中で、リーダのあり方に関してピックアップしてみた。
□「経営とは、他人を通して事をなすこと」人を動かすことの大切さ

□「将というもののありかたは、まず群を統制し、兵の心を掌握することにあって、いかに戦うかは、そのつぎにくることである」


□リーダーの要諦 P108
 ?部下たちに仕事全体の方向を指し示す。
 ?部下たちが仕事をしたくなる、やりやすくなる環境を整備する。
 ?部下たちが自分でやるプロセスを刺激する。応援する。

□凡庸な教師は命令する。良い教師は説明する。優れた教師は範となる。雄大な教師は心に火を付ける。
The mediocre teacher tells. The Good teacher explains. Ther superior teacher demonstrates. The great teacher inspires.
つまり、「The great teacher inspires.」にならないといけない。

□リーダーへの信頼感の条件は、ぶれない決断。 P112
 ?決断してくれということ。それが信頼感を生む。
 ?その決断の内容が筋が通っていること。
  つまり本質の決断から、信頼感が生まれる。
 ?状況の変化と共に決断を容易に変えない。という意味はぶれないこと。

□器量とは
 ?考えることのスケールの大きさと深さ
  =>日頃から大きく、深く考えるから、その人は「大きく深い人物だ」と思える。
   周りの人には思いも付かない範囲まで考えたり、徹底的に考える。
   だから、みんなが納得する意見を言える。
 ?異質な人を受け入れる度量
 ?想定外の出来事を呑み込む力

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

多くの戦略本で語られているツール類の説明ではなく、もう少し構造に目を向けて整理をしようとしている本書。確かにわからなくはないけれど、「情報の目線」「感情の目線」での考察について物足りなさを感じた。リーダー考については興味深かった。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

【070923】
・将というもののあり方は、まず軍を統制し、兵の心を掌握することにあって、いかに戦うかは、そのつぎにくることである。
・リーダーの要諦とは、
?部下達に仕事全体の方向を指し示す
?部下達が仕事をしたくなる、やりやすくなる環境を整備する
?その後は、彼ら自信が自分で仕事をやるプロセスを刺激する。応援する。
・信頼感を生み出す基礎要件は、人格的魅力とぶれない決断(筋を通す、安易に変えない)である。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

前半部分は、伊丹敬之の本にしては退屈だな、と思いながら読んでいたが、後半はかなり面白かった。「この本は、企業組織の中でマネジャーやさまざまな立場のリーダーになることをめざしている人たちに、企業の経営というものをどのような眼で見ればいいのか、その見方を書いた本」というのが、筆者自身が書いたこの本の紹介文である。前半は、企業とは何か、とかという、なんだろう、この本の「前提条件」みたいなものが書いてあるが、その部分は、はっきりと退屈。後半の事業や企業の戦略論的な部分になると面白くなってくる。別にリーダーをめざさない人が読んでも、普通に面白いと思う。平易な文章と内容であり、読みやすい。

0
2011年07月25日

「ビジネス・経済」ランキング