【感想・ネタバレ】経済は地理から学べ!【全面改訂版】のレビュー

あらすじ

70000部を突破した『経済は地理から学べ』がパワーアップして面白くなった!
ロシア・ウクライナ戦争、台湾有事、トランプ大統領再選etc
激動する世界情勢に対し、各種データをアップデートし、今と未来をつかむための視点を徹底解説!

本書は『経済は地理から学べ!』の全面改訂版です。 地理とは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけの学問ではありません。

農業や工業、貿易、流通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問なのです。地理という“レンズ”を通せば、ダイナミックな経済の動きを、手に取るように理解できます。本書は「立地・資源・貿易・人口・文化」という切り口から、“今”と“未来”をつかむ視点を提供するものです。

「人間の経済行動の大半は、土地と資源をベースに決まる」と著者は言います。資源の豊かな国は、その資源を効率よく使い、新しい富を生み出そうとします。逆に乏しい国は、その資源をいかに得るかに知恵を絞ります。

しかし土地と資源には限りがあります。有限だからこそ、需要と供給が生まれます。そのバランスの中で、私たち人間は経済活動を行うわけです。

世界では今まさに「土地と資源の奪い合い」が起きています。本書では、世界情勢の知識に加え、「石油」「半導体」「航路」「自動車」「レアメタル」など、ビジネスの世界ですぐに役立つ重要キーワードの解説も念入りに行います。地理本のニュースタンダード&ロングセラーを目指します。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

地理と政治/経済のつながりが見えると面白い。
それぞれの国にはその「土台」があり、その土台を生かしていかに国際社会に貢献できるかが、その国の国力を決める。人間社会と同じだね。

0
2025年11月30日

Posted by ブクログ

地政学とはちと違うが、地理からみる経済もとても面白かった。

初版は2017年だが、今回全面改定で新トランプ政権まで盛り込まれてます。私の様に社会に興味を持ち始めた位のビギナーさんにはめちゃ楽しい本だと思う。

内容は多岐に渡るんだけど、まず地理の見方から始まって、立地、資源、貿易、人口、文化と章が進みます。私的に良かったのは、日頃全く気にしてない、北欧、アフリカ、南米などの様子がわかったこと。資源のある国、ない国、気候、農産、畜産、水源等々、様々な国が自国の立地によって生き抜く戦略をたてているのがめちゃ面白い。まるで国がひとつの企業みたい。高齢化とか少子化についても意外な事実が!どの頁みてもへぇーーです。

世界地図片手に読むのがおすすめ!
こういう本を読むと、ニュースが本当に楽しくなるよ。こないだ横浜であったticad9(アフリカ開発会議)も各国の思惑を考えが透けて見えるー。

0
2025年08月23日

Posted by ブクログ

ドイツでビール文化が根付いたのも、イギリス=食事がまずいという固定観念が生まれたのも、歴史的背景に地理的視点を加えることで、積年の不理解があっという間に解消できるから面白い。

0
2025年07月21日

Posted by ブクログ

幅広い論点について、様々な国を例に挙げてわかりやすく解説してくれている。立地、資源、貿易、人口、文化、そういう切り口で見ていくと日々のニュースの解像度もあがるだろう。地理・歴史は政治・経済を学ぶ基礎になるからやはり重要だなと思う。

0
2025年11月29日

Posted by ブクログ

地理に興味を持てた。
あと本の内容に関係はないが、著者の経歴を見ると代ゼミの地理講師で「東大地理」などの講座を担当しているとか。
てっきり東大卒かと思っていたが、日大卒らしい。
それでもいいと思うが、経歴紹介には一切載っていない。

0
2025年07月21日

Posted by ブクログ

最終的な進路は理系に進みましたが、高校時代は地理が好きで世界地図や統計資料を眺めるのが好きでした。勤め人を卒業した後は、それまで必要に迫られて読んでいたビジネス本よりも自分が興味を持てる分野を読める贅沢を感じています。先日帰郷する電車の中で読もうと思って本屋さんで目についたのが、この本です。

世界経済について解説した本を読むのも良いですが、私の好きな地理から経済を学べ、という本のタイトルには惹かれました。報道で流されるニュースは、地理も地政学も歴史も絡んでいると思っている私には、ある事象を2つ以上の観点から見る面白さをこの本は教えてくれたと思います。

以下は気になったポイントです。

・因果関係と相関関係は異なる、Aが原因でBが生じる関係が「因果関係」:雨が降ると、地面が濡れる、Aが変わるとBも変わる関係が「相関関係」:気温が上がると、アイスクリームがよく売れる、両者を混同しないことが大事。地理的条件が原因で起きているのか、それとも、税制や他の政策が要因でそう見えるのか、見極める必要がある。過去に成し遂げた成功も、たまたま運が良かっただけかもしれず、そこに因果関係を作り出してしまうと、それにとらわれて時代の変化が感じ取れなくなる(p33)

・天然ガスは液化天然ガス(LNG)として輸入する、機体の天然ガスと比べて体積が600分の1にまで減るので大量に運べる、輸入先は、オーストラリア・マレーシア・ロシア・アメリカ・パプアニューギニア、インドネシア、カタールである、パプアニューギニアは、エクソンモービルのLNGプロジェクトで採掘始まり日本への輸出が拡大し値得る(p45)

・ライン川は北海へ、ドナウ川は黒海へ注いでいる、ライン川にはマイン川という支流があり、そのマイン川とドナウ川は、マイン=ドナウ運河で結ばれている、オーストリア→スロバキア→ハンガリー→セルビア→ルーマニア→ブルガリアと流れて黒海へ注ぐ。冷戦中は不可能だったが終結すると、ドナウ川水運は活発になった、そして1992年にマイン=ドナウ運河が完成した(p54)

・国土交通省によれば、国土全体において水道水を安全に飲める国は世界に9つしかない、フィンランド・スウェーデン・アイスランド・オーストリア・ノルウェー・デンマーク・オランダ・ニュージーランド、日本である(p108)

・日本の国土面積は37.8万km2だが、EEZ(排他的経済水域:自国の基線から200海狸(370km)範囲における海洋資源の探査、開発を独占的に行使できる区域)は、447万km2と国土面積の12倍に相当する(p110)

・オーストラリアとブラジルが鉄鉱石の価格の下落のリスクを取りながらも増産をやめないのは、増産によって世界シェアを増大し、寡占化を進めることが狙いである。サウジアラビアが原油の増産を続け、原油価格を下落させたことで一時はアメリカのシェルオイル業者が倒産したのと同じ構図である(p121)

・1989年のマルタ会談によって冷戦構造は終結し、これによって東西交流が進み、西側諸国はロシアなどからレアメタル輸入が可能になり、南アフリカから輸入する必要がなくなり、アパルトヘイトに対する経済制裁は強まった。ついに1991年、アパルトヘイト政策の撤廃を宣言した、1994年には全人種が参加した初めての選挙が行われ、マンデラが大統領になった(p126)

・ノルウェーは1524年からデンマークと同君連合、1814年からはスウェーデンとの同君連合になり1905年まで続いた、実は400年近くの連合状態から自由を勝ち取った、そのためノルウェーは愛国心が非常に強い、他人から支配されるのを嫌う気質がある(p144)

・オーストラリアは鉄鉱石と石炭を1箇所に集めて鉄鋼業を起こそうとしても、鉄山と炭田の物理距離が大きく、陸上輸送がものすごくコスト高となるので、製造業が主力になりにくい。多くの日本人が移住して最低賃金水準が高く(日本の2倍)物価が高い、外国企業が進出して成功した例がほとんどない、吉野家やスタバも撤退、売却している(p185)

・土地も資源もない日本がなぜ経済大国になれたのか、要因は、教育水準の高さ、そして人口の多さである(p221)

・完結出生児数とは、結婚からの経過期間が15−19年を数える夫婦について、最終的に何人の子供をもうけたかを平均した数で、既婚女性限定の合計特殊出生率である、1972年から2002年までは、2.2を維持していた、2005年に2.09, 2010:1.96, 2015;1.94(参考:2021年:1.90)既婚女性が産む子供の数はそれほど極端に減っていないが、少子化進行の背景には、「生涯未婚、子供は一人だけ」の層が徐々に増えている構造がある(p271)

2025年7月8日読破
2025年7月18日作成

0
2025年07月20日

「ビジネス・経済」ランキング