【感想・ネタバレ】ぶたのしっぽのレビュー

あらすじ

■第26回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作品

中学二年生の豪太郎が熱中している趣味は、編みぐるみ。特に最近はぶたの編みぐるみに凝っている。だけど、それはクラスメイトにも、幼なじみにも言えない秘密だ。なぜなら、その趣味は「男らしく」ないから。
そんなとき、職場体験をきっかけに「ヤングケアラー」で「不登校児」のクラスメイト、篠田と知り合うことになる。少しずつ知る、篠田の話。家族の事情もあるが、何より自分の意思で家にいること。宇宙に行くという将来の夢……。
「ふつうってなんだろう」という疑問が変化したとき、豪太郎の中にひとつの答えが生まれる。

それぞれの心の痛みを丁寧に描いた力作。

第26回ちゅうでん児童文学賞 大賞受賞作品。
[選考委員:斉藤洋氏、富安陽子氏、山極寿一氏]

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・編みぐるみに熱中する野球少年(仮の姿)
・さらさらロングヘアーで野球部入部を断られてしまう転校生
・一度も学校に来ないヤングケアラーの少年

が、主な登場人物。

これは差別の物語だな、と思った。男子が受けている差別の。
女子のほうが、とか男子のほうが、といった二項対立で語ってしまうことは簡単だけど乱暴で、どっちが可哀想かという話し合いをするのも虚しい。ただ、どんな差別もそこにあり、一般的ではない個性をもっていると、そのせいで入場券すらもらえない世界があるのだ。それは、何をしたって自由だと開き直れば済む問題ではなく、仮面をかぶっていたほうが得をすることが圧倒的に多い世界で、私たちのたましいはどうすれば生き残れるのかという切実な問題を突きつけてくる。

物語の中で、主人公の豪太郎は仮面をかぶって入場券を得ることに成功したけど、自分ではない姿を演じているときに漏らしてしまうから、尿漏れパッドなしでは生活できないという大きなハンデを負っている。その世界に適応するための努力が、とてつもなく切なかった。

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2026年08月08日

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