【感想・ネタバレ】越後の華乃城のレビュー

あらすじ

「白玉の湯 泉慶・華鳳」の創業女将・橋本キヨのたどった軌跡

四十を過ぎて小さな温泉旅館を立ち上げ、新潟一と言われる規模に育て上げた女性の細うで繁盛記

〈はじめに〉より抜粋
新潟の奥座敷・月岡温泉に、今なお人々の記憶に鮮やかに生き続ける伝説の女将がいます。
その名は、橋本キヨ。「越後の三女傑」と呼ばれた私の母です。
大正十五年、雪深い越後の地に生を受けた母は、四十二歳という人生の折り返し点で、驚くべき決断をします。一介の主婦の身から起業を決意。わずか八室の小さな旅館を始めたのです。その宿を、母は一代で「白玉の湯 泉慶・華鳳」という、合計収容人数千二百二十五名を誇る温泉ホテルへと育て上げました。
経験も、人脈も、資金も持ち合わせていないまったくの素人が、なぜこれほどの結果を出すことができたのか。
そこには、母が生涯を懸けて守り続けたひとつの信念がありました。
「名もなき宿だが 味と情で客は鈴なり」
たとえ無名の宿であろうとも、真心を尽くし続ければ、必ずやたくさんの方が訪れてくださる─。この揺るぎない信念を胸に、母は昼夜を問わずただひたすらお客様のことだけを思い、進み続けたのです。

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Posted by ブクログ

全国ナンバーワンになった新潟が誇る温泉ホテルであるが、かつて42歳の主婦がわずか8室の小さな旅館からスタートし、並々ならぬ努力を重ねて豪華ホテルに登り詰めたのを知って、とても感銘を受けました。

常に「どうしたらもっとお客様を喜ばせることができるか」を考え、行動することは、ビジネスにとって一番大事なんだと、改めて感じました。
従業員への感謝、従業員が働きやすい環境を作ることを徹底している姿も素晴らしいです。

周りの宿は夜9時で閉まってしまうが、泉慶は夜10時でも真夜中でもお客さんを受け入れた。タクシーがお客さんを連れてくると、心付けを包んで運転手に渡した。泉慶も、お客様も、タクシー運転手も喜ぶ「三方よし」の経営をしていた。


① 「名もなき宿だが、味と情で客は鈴なり」
② 「良い時も苦しい時も、お客様は何より大事にしていれば、いざと言う時にそのお客様に救われることが多いものである」
③ 「真心を込めて一生懸命努力すれば、明るい明日がやってくる」
④ 日記にも、常に社員への感謝が信頼されている。
心と体が丈夫なことを神と仏に感謝していた。
⑤ 温泉の掘削工事が始まったら、毎日のように現場に足を運び、作業員の方々に丁寧に頭を下げて回った。
⑥ 商売は、儲けを先に考えてはいけない
「どうやったら喜んでいただけるか」を先に考える。儲けは後からついてくる。
⑦ 常に相手に喜んでもらいたいと言う考えがあれば、自分が次にどうすればいいかが分かる。
⑧ 「自分はもう…」という言葉は絶対に使わない。
まだまだ、できることがある。

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2025年06月24日

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