あらすじ
人生の曲がり角は、真夏のパリの晩餐にあった。
ジゼル・アリミ賞を受賞した「反逆へ向かう女性たちを描く、一触即発の密室劇」
8月の暑い夜。パリのラスパイユ大通りにある高級アパルトマンを1組の夫婦が訪れた。エティエンヌが旧友のレミと、レミの妻のジョアルを招いたのだ。エティエンヌの妻のクローディアを交えて、4人でディナーを囲む。弁護士で自信に満ちたエティエンヌ。運動療法士で内気なクローディア。経済学の教師で社交的なレミ。IT業界で成功を収める思慮深いジョアル。それぞれの胸に秘めた思いを抱えながら、ディナーは進行していくがーー。
踏み出してみれば、なんてことのない一歩だった。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
それぞれに思惑があったり不穏さを抱える2組の夫婦。一方の家庭でディナーを囲むこととなり、大人でおしゃれな雰囲気が漂う。その実、4人の心はお互いを探ったり推しはかったりと、雲行きが怪しい。
お酒や食事は、人の心を解きほぐしたり穏やかにするのが常なのに、この物語は、その逆をいく。水面下にあったギクシャクは、次第に表面化し、覆いを外す。その意外な結末がシュールで面白かった。思えば、夕食メニューからして、ワイン、ズッキーニの花、カレー、チョコレートと、取り合わせがちぐはぐで、4人の結末を暗示していたのかもしれない。
Posted by ブクログ
大人の男女の物語
二組のカップルはそれぞれに
互いに物足りなさを感じている
出世したい男とおとなしい女の一組
やり手の女と単なる教師の男の一組
やり手の女の昇格を機に
仕事をもらおうと目論む男
関係に疲れた女
四人は別れて別々の道を選択する
ことになる
外国の作品だからこそなのか
雰囲気は理解できた
ちょっと退屈な印象だった
Posted by ブクログ
「なぜ、男達は気づかないのだろう?」と女の私が思うように「なぜ、女達はそんなことをするのだろう?」と世の男性達も理解に苦しむのかもしれない。
登場人物全員「今、自分は人生の重要な局面にいる」と思っている。自分の得たい幸福において、必要かどうかでしか相手をみていない。だから、相手も大事な局面にいるなんて想像もできない。読者として、客観的に見ていると愚かにも思えるが、これは日常的に起きていることだと気付かされる。
ほんの少しの歩み寄る気持ち、相手のことを理解しようと思う心があれば「男女のわかりあえない問題」も少しは解決するのではないかと思った。