【感想・ネタバレ】罪さえも甘くとろけてのレビュー

あらすじ

八年前、身を引き裂かれる思いで愛し合った男と別れた幸は、その苦しみを力に一人前のパティシエになるため努力しショコラ専門店をオープンさせた。やっとすべてを忘れかけた矢先、幸は既婚者となったかつての恋人・紀嗣と再会してしまう。まだ君を愛している――彼の言葉にたやすく心を揺らされる幸。そんな幸の前に、紀嗣の秘書である支倉が現れる。行いの罪深さに苦しむ幸を、支倉は辛抱強く見守り支え続けるのだが……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

身を切られるような思いをして別れた元恋人との思わぬ再会から始まる、八年越しの不倫愛をベースにした三角関係もの。
千島さん2作目となるこの作品は、ご自身があとがきで”普遍的な迷いに挑戦した”と書かれた通り、BLではあまり歓迎されないテーマに正面切って立ち向かった意欲的な作品だと思います。

周りが見えなくなる程の恋の熱だったり、相手を傷つけ、全てを壊しても自分の思いを遂げたいという業の深さだったりをリアルに描いている感じ。

傲慢×健気というわかりやすい構図でないのも新鮮だったし、妻を巻き込んだ修羅場展開に持ち込まずに決着するのも良かった。

キャラクターに魅力があるとか、泣けるとかでは無いし、ご都合主義な部分は否めないのだけれど、不思議と読後感が悪くないのは、文章の上手さと、作者が登場人物達に愛を持って描いているからなんだろうなぁと思ったり…。
次の作品がどんなお話になるのか、ちょっと期待したい作家さんです。

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2012年06月13日

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